分業体制の協調的な確立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 03:47 UTC 版)
「東アジア共同体」の記事における「分業体制の協調的な確立」の解説
1990年代の東アジアにおける貿易の特徴として、完成品の貿易額に比べ、部品や素材など中間財の貿易額が増加傾向にある事が挙げられる。日本から東アジアへ安い労働力を求め技術移転が進んだ事によるアジア地域の生産基盤の発展と、それに伴う貿易投資障壁の低減・撤廃の進展により、企業が国境を越えて生産拠点を自由に選択し経済活動を行うための環境が整備された。 しかし、産業別に見ると必ずしも全ての産業において中間財貿易が増加しているわけではなく、自国産業の保護育成政策によって阻害されているケースも少なくない。 東アジア特有の雁行型発展は、キャッチアップのプロセスと通じて、東アジア各国の構造調整を促し、発展段階に応じた分業体制を形成してきた。共同体の形成によってこの雁行型発展はさらに促進され、東アジアの途上国が協調的分業体制の中で自国の発展段階に適した地位を獲得し、それを通じて所得のキャッチアップと社会問題の克服を実現する可能性もある。このような協調分業体制の確立による、東アジアの経済成長の一層の促進を指摘する有識者もいる。
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