分別滴定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/10/18 02:57 UTC 版)
水中では、塩酸 (HCl) は十分に強い酸であるから、以下のように完全解離する。 HCl + H2O → Cl− + H3O+ 過塩素酸 (HClO4) も同様に十分に強いので、完全解離する。 HClO4 + H2O → ClO4− + H3O+ したがって、塩酸と過塩素酸の酸の強さは水溶液中では区別することができない。しかしながら、塩基性(プロトン受容性)の弱い溶媒中、あるいはプロトン授受に不活性な溶媒中で滴定すると、これらを分別することができる。例えば、この2つの酸をメチルイソブチルケトン (MIBK) 中で水酸化テトラブチルアンモニウム (Bu4NOH) で滴定すると、先に過塩素酸が中和され、 HClO4 + Bu4NOH → Bu4N・ClO4 + H2O 過塩素酸の中和が完了したのちに、塩酸が中和される。 HCl + Bt4NOH → Bu4N・Cl + H2O
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