八面体錯体の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 07:47 UTC 版)
例えば、正八面体型の6配位の金属錯体について考える。座標の原点に金属イオンを配置し、 x 軸、y 軸、z 軸上に6個の配位子を正八面体型に配置する。金属の持つ5つの d 軌道は、dz2 と dx2−y2 の2つの eg 対称種、および dxy、dyz、dyz の3つの t2g 対称種にわけられる。配位子群軌道として金属とσ結合するような結合だけを考える。すると、 a1g 対称種の軌道、 t1u 対称種の軌道、 eg 対称種の軌道ができる。そのため、eg 対称種に属する2つの d 軌道は同じ対称種の配位子群軌道と相互作用して2つの反結合性 eg 軌道になる。一方、t2g 対称種に属する3つの d 軌道は相互作用できる配位子群軌道が存在しないので、元のエネルギーのまま3つの非結合性 t2g 軌道になる。このようにして、d 軌道の縮退が解ける。
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