八面体錯体のd軌道の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/02 21:02 UTC 版)
「結晶場理論」の記事における「八面体錯体のd軌道の例」の解説
例えば、正八面体型の6配位の金属錯体について考える。座標の原点に金属イオンを配置し、 x {\displaystyle x} 軸、 y {\displaystyle y} 軸、 z {\displaystyle z} 軸上に6個の配位子を正八面体型に配置する。これらの配位子の負電荷が作る結晶場を計算すると各軸上で大きくなる。そのため、 d {\displaystyle d} 軌道のうち軸上に電子密度が大きくなる部分を持つ d z 2 {\displaystyle d_{z2}} および、 d x 2 − y 2 {\displaystyle d_{x2-y2}} の2つの軌道は結晶場の影響を他の3つの軌道( d x y {\displaystyle d_{xy}} 、 d y z {\displaystyle d_{yz}} 、 d z x {\displaystyle d_{zx}} )より大きく受ける。すなわち、これら2つの d {\displaystyle d} 軌道に電子が入ると配位子の負電荷と反発するので、他の3つの軌道に入る場合よりもエネルギーが高いことになる。このようにして正八面体型の6配位の金属錯体ではエネルギーの高い2つの d {\displaystyle d} 軌道とエネルギーの低い3つの d {\displaystyle d} 軌道に分裂する。
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