元木咲良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/26 13:43 UTC 版)
| 獲得メダル | ||
|---|---|---|
| 女子 レスリング・フリースタイル | ||
| オリンピック | ||
| 金 | 2024 パリ | 62kg級 |
| 世界選手権 | ||
| 金 | 2025 ザグレブ | 62kg級 |
| 銀 | 2023 ベオグラード | 62kg級 |
| 銅 | 2022 ベオグラード | 59kg級 |
| アジア選手権 | ||
| 銀 | 2024 ビシケク | 62kg級 |
| U-23世界選手権 | ||
| 金 | 2025 ノビサド | 63kg級 |
| 世界ジュニア選手権 | ||
| 金 | 2022 ソフィア | 59kg級 |
| 世界カデット選手権 | ||
| 金 | 2018 ザグレブ | 46kg級 |
元木 咲良(もとき さくら、2002年2月20日 - )は、日本の女子レスリング選手。埼玉県和光市出身。階級は59g級と62㎏級[1]。父親はシドニーオリンピックのグレコローマンレスリング63kg級で9位だった元木康年[1][2]。パリオリンピック金メダリスト。
来歴
和光クラブでレスリングを始めた[1]。小学生の時には全国大会で優勝を含めて何度も上位入賞を果たした[1]。埼玉栄中学1年と2年の時に全国中学選抜選手権37kg級で2位になった[1]。
埼玉栄高校2年の時にはジュニアクイーンズカップ カデットの部と世界カデット選手権の46kg級で優勝した[1]。
2020年に育英大学へ進学すると、2年の時にジュニアクイーンズカップ ジュニアの部57kg級で優勝、全日本選抜選手権では2位になった[1]。3年の時にはジュニアクイーンズカップで2連覇した[1]。さらに、全日本選抜選手権で優勝すると、プレーオフも制して世界選手権代表に選出された[1]。世界ジュニア選手権でも優勝した[1]。世界選手権の59kg級では準決勝でモルドバの選手に5-6で惜敗するも、3位決定戦で中国の選手にフォール勝ちして銅メダルを獲得した[3]。全日本選手権ではオリンピック階級の62kg級に出場すると、準決勝でオリンピックチャンピオンの川井友香子、決勝では世界チャンピオンの尾﨑野乃香をそれぞれ破って優勝した[4][5]。
2023年2月のザグレブ・オープンでは優勝した[6]。4年の時には全日本選抜選手権の決勝で至学館大学4年の稲垣柚香を8-2で破って優勝した[7]。9月の世界選手権では決勝で東京オリンピック銀メダリストであるキルギスのアイスルー・ティニベコワに1-4で敗れて2位にとどまった。しかしメダルを獲得したため、規定によりパリオリンピック代表に内定した[8][9]。
2024年1月のザグレブ・オープンでは準決勝でティニベコワに3-3の内容差で敗れると、3位決定戦は右膝のケガのため棄権して5位だった[10]。4月からは育英大学の助手となった。アジア選手権では決勝で地元のティニベコワに6-9で敗れて2位だった[11]。8月10日にはパリオリンピックの62kg級の決勝で、ウクライナのリーナ・コリアデンコに12-1のテクニカルスペリオリティーで勝利して金メダルを獲得した[12]。同年、紫綬褒章受章[13]。
2025年4月にはU-23世界選手権の代表資格を得るためジュニアクイーンズカップに出場して優勝した[14]。6月の全日本選抜選手権では決勝で尾崎に勝利すると、その直後のプレーオフでも残り僅か0秒17で尾崎に逆転勝ちして世界選手権代表に選ばれた[15]。9月の世界選手権では決勝で北朝鮮の選手に終了僅か0.3秒前に逆転勝ちして優勝した[16]。10月のU-23世界選手権では準決勝まで全てフォール勝ちすると、決勝ではウクライナのイリーナ・ボンダーを10-0で破るなど全試合を無失点で圧勝した。これにより須崎優衣、アミート・エロルに続き3人目となるゴールデンスラム(U17、U20、U23、シニアの各世界選手権及びオリンピックでの優勝)を達成することになった[17][18]。
主な戦績
- 2014年 - 全国中学選抜選手権 2位(37kg級)
- 2015年 - 全国中学選抜選手権 2位(37kg級)
- 2016年 - 全国中学選抜選手権 3位(40kg級)
- 2017年 - JOC杯カデットの部 2位(43kg級)
- 2017年 - インターハイ 3位(46kg級)
- 2018年 - ジュニアクイーンズカップ カデットの部 優勝(46kg級)
- 2018年 - 世界カデット選手権 優勝(46kg級)
- 2018年 - インターハイ 3位(47kg級)
- 2021年 - ジュニアクイーンズカップ ジュニアの部 優勝(57kg級)
59㎏級での戦績
- 2021年 - 全日本選抜選手権 2位
- 2022年 - ジュニアクイーンズカップ ジュニアの部 優勝
- 2022年 - 全日本選抜選手権 優勝
- 2022年 - 世界ジュニア選手権 優勝
- 2022年 - 世界選手権 3位
62㎏級での戦績
- 2022年 - 全日本選手権 優勝
- 2023年 - ザグレブ・オープン 優勝
- 2023年 - 全日本選抜選手権 優勝
- 2023年 - 世界選手権 2位
- 2024年 - ザグレブ・オープン 5位
- 2024年 - アジア選手権 2位
- 2024年 - パリオリンピック 優勝 天皇杯受賞
- 2025年 - ジュニアクイーンズカップ U23の部 優勝
- 2025年 - 全日本選抜選手権 優勝
- 2025年 - 世界選手権 優勝
- 2025年 - U-23世界選手権 優勝
(出典[1])
脚注
出典
- ^ a b c d e f g h i j k JWF WRESTLERS DATABASE : 日本レスリング協会 元木咲良
- ^ JWF WRESTLERS DATABASE : 日本レスリング協会 元木康年
- ^ 桜井つぐみが2年連続V 石井亜海は銀メダル―世界レスリング 時事通信 2022年9月16日
- ^ 藤波3連覇、10連勝 乙黒拓は3年ぶり優勝―全日本レスリング 時事通信 2022年12月25日
- ^ レスリング・元木咲良、世界女王&五輪女王を破って日本一 父も挑んだ五輪の舞台へ「最後まで諦めない」 スポーツ報知 2022年12月25日
- ^ 元木咲良(育英大)と吉武まひろ(日体大)が優勝…2023年ザグレブ・オープン第3日
- ^ 元木咲良、実力示してV 世界選手権代表決定「しっかり勝ち切れたことで成長できた」/レスリング サンケイスポーツ 2023年6月16日
- ^ 藤波、元木がパリ五輪代表に 女子で決勝進出―世界レスリング 時事通信 2023年9月21日
- ^ 藤波朱理が世界レスリング女子53キロ級で金、62キロ級の元木咲良が銀…68キロ級の石井亜海5位 読売新聞 2023年9月22日
- ^ レスリング五輪代表の元木咲良、世界女王に惜敗も「まだまだ自分は強くなれる」 ザグレブOPから帰国 日刊スポーツ 2024年1月14日
- ^ パリ五輪代表・元木咲良は2位 世界女王の壁を破れず…レスリング・アジア選手権 スポーツ報知 2024年4月14日
- ^ 【レスリング】元木咲良、女子62キロ級で金メダル!父子の悲願叶った、東京五輪銅の強敵破る 日刊スポーツ 2024年8月11日
- ^ 『官報』号外259号、令和6年11月5日
- ^ レスリングパリ五輪覇者・元木 62秒VでU23世界選手権内定 目指すは過去2例しかないグランドスラム スポーツニッポン 2025年4月14日
- ^ パリ五輪金の元木咲良が残り0秒17で大逆転勝ち 尾崎野乃香との五輪代表対決を制し、世界選手権代表入り スポーツ報知 2025年6月22日
- ^ レスリング世界選手権 3階級で金 元木咲良 村山春菜 石井亜海 NHK 2025年9月19日
- ^ “【レスリング】元木咲良が史上3人目のゴールデンスラム!全5試合無失点勝利で達成 U23世界選手権”. スポニチ Sponichi Annex (2025年10月26日). 2025年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月26日閲覧。
- ^ 平地一紀 (2025年10月26日). “レスリング女子62キロ級で元木咲良が世界5大会制覇…日本勢2人目、世界で3人目の快挙”. 読売新聞オンライン. 2025年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月26日閲覧。
外部リンク
- 元木咲良 - オリンピックチャンネル
- 元木咲良 - 世界レスリング連合
- 元木咲良のページへのリンク