偏角の原理の証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/27 02:05 UTC 版)
zN を f のある零点とする。f(z) = (z − zN)kg(z)、ただし k は零点の重複度、と書くことができるので、g(zN) ≠ 0 である。 f ′ ( z ) = k ( z − z N ) k − 1 g ( z ) + ( z − z N ) k g ′ ( z ) {\displaystyle f'(z)=k(z-z_{N})^{k-1}g(z)+(z-z_{N})^{k}g'(z)\,\!} f ′ ( z ) f ( z ) = k z − z N + g ′ ( z ) g ( z ) . {\displaystyle {f'(z) \over f(z)}={k \over z-z_{N}}+{g'(z) \over g(z)}.} である。g(zN) ≠ 0 であるので、g' (z)/g(z) は zN で特異性をもたないことが従い、したがって zN で解析的であり、これは f' (z)/f(z) の zN における留数が k であることを意味する。 zP を f のある極とする。f(z) = (z − zP)−mh(z)、ただし m は極の位数、と書くことができ、 h(zP) ≠ 0 である。すると上記と同様に f ′ ( z ) = − m ( z − z P ) − m − 1 h ( z ) + ( z − z P ) − m h ′ ( z ) . {\displaystyle f'(z)=-m(z-z_{P})^{-m-1}h(z)+(z-z_{P})^{-m}h'(z)\,\!.} f ′ ( z ) f ( z ) = − m z − z P + h ′ ( z ) h ( z ) {\displaystyle {f'(z) \over f(z)}={-m \over z-z_{P}}+{h'(z) \over h(z)}} である。h(zP) ≠ 0 なので h′(z)/h(z) は zP で特異性をもたないことが従い、したがってそれは zP で解析的である。 f′(z)/f(z) の zP における留数は −m であることがわかる。 これらを合わせて、f の重複度 k の各零点 zN は留数 k の f′(z)/f(z) の一位の極を作り、f の位数 m の各極 zP は留数 −m の f′(z)/f(z) の一位の極を作る。さらに、f′(z)/f(z) は他に極をもたずしたがって他の留数をもたないことが示せる。 留数定理によって C についての積分は 2πiと留数の和の積である。また、各零点 zN に対する k たちの和は零点の重複度も数えた零点の個数であり、極も同様で、したがって結果が成り立つ。
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