伊藤昌亮とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 伊藤昌亮の意味・解説 

伊藤昌亮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/29 16:38 UTC 版)

伊藤 昌亮 いとう まさあき
人物情報
生誕 1961年
栃木県
国籍 日本
出身校 東京大学大学院学際情報学府
学問
研究分野 メディア研究、デジタルメディア論、社会運動論、集合行動論
研究機関 成蹊大学
学位 博士(学際情報学)(東京大学)
主要な作品 『ネット右派の歴史社会学』『炎上社会を考える』など
学会 日本メディア学会、社会情報学会
公式サイト
伊藤昌亮 - researchmap
伊藤昌亮 (@maito1212) - X
テンプレートを表示

伊藤 昌亮(いとう まさあき、1961年[1] - )は、日本社会学者情報学者。成蹊大学文学部現代社会学科教授[2][3]。専門はメディア研究[4][5]、デジタルメディア論、社会運動論、集合行動論[6][7]愛知淑徳大学現代社会学部准教授などを経て現職[8][9]。インターネットやSNSなどデジタルメディアを介して生じる集合行動や社会運動、ネット炎上、世論形成といった現代社会の動向を社会学・メディア研究の視点から分析している[2]

著書に『炎上社会を考える』『ネット右派の歴史社会学』『デモのメディア論』『フラッシュモブズ』などがある。

経歴

栃木県生まれ[10]。1985年東京外国語大学外国語学部ドイツ語学科卒業[2]。日本IBM、ソフトバンク株式会社などで勤務[8][11]。2001年から2008年まで、東京大学大学院学際情報学府で修士・博士課程を修了[2][12]。2010年12月、「フラッシュモブズ:儀礼と運動の交わるところ」により、東京大学から博士(学際情報学)の学位を取得[13]

2009年4月愛知淑徳大学現代社会学部准教授、2010年4月より同大学メディアプロデュース学部准教授(学部改組による異動)。2015年4月から成蹊大学文学部教授[2][14]。2023年7月から10月、ドイツ・エアランゲン大学日本学講座客員研究員[11][2]。2025年4月より成蹊大学文学部長、大学院文学研究科長に就任[15]

研究・業績

2000年代初頭、2ちゃんねるで発生した「吉野家祭り」など、インターネットを介したコミュニケーションと集団的行動に関心を持ち、参与観察を踏まえた論文を執筆した[16]

SNSやデジタルメディアを通じて生じる集合行動や社会運動、ネット炎上、世論形成といった現代社会の現象を分析し、ネット社会における新しい群衆や運動、社会構造の変化を明らかにしている[17][18][19]。また、ネット上で顕在化する「弱者男性」による弱者バッシングや炎上の背景にある社会的構造についても分析し、現代日本社会における「弱者」像や階層意識の変容を考察している[4][20][21]

論文

著書

単著

  • 『フラッシュモブズ:儀礼と運動の交わるところ』NTT出版、2011年
  • 『デモのメディア論:社会運動社会のゆくえ』筑摩書房筑摩選書)、2012年
  • 『ネット右派の歴史社会学:アンダーグラウンド平成史1990-2000年代』青弓社、2019年
  • 『炎上社会を考える:自粛警察からキャンセルカルチャーまで』中公新書ラクレ、2022年

共著

  • 『奇妙なナショナリズムの時代:排外主義に抗して』山崎望:編、岩波書店、2015年9月

訳書

  • 『古いメディアが新しかった時:19世紀末社会と電気テクノロジー』キャロリン・マーヴィン:著、新曜社、2003年 - 吉見俊哉水越伸共訳

寄稿

ほか

出演

ラジオ

  • 大竹まこと ゴールデンラジオ!』「今の日本社会で起きている“弱者争い”とは?」文化放送、2023年4月
  • 荻上チキ・Session』「特集:クルド人めぐるSNS投稿をきっかけに考える~ネットの真実とデマ」TBSラジオ、2025年4月21日[30]
  • 『荻上チキ・Session』「特集:JICAのホームタウン事業撤回をキッカケに考える。多文化共生とネット言説との向き合い方」TBSラジオ、2025年9月29日[31]

テレビ

  • 5時スタ』「石丸伸二さんは『新しいポピュリズム』就職氷河期世代以降の中年世代が『石丸さんへの憧れ』で支持か 」テレビ愛知[32]
  • 報道1930』「衆議院選挙公示 “ネット右派”はどこへ/裏金議員の選挙区密着 比例復活ない戦い」BS-TBS、2024年10月15日
  • ETV特集』「フェイクとリアル 川口 クルド人 真相」NHK Eテレ、2025年4月5日

ほか

脚注

出典

  1. ^ フラッシュモブズ 儀礼と運動の交わるところ”. NTT出版. 2015年8月16日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 伊藤昌亮 - researchmap
  3. ^ 「参政党「真ん中」からの反革命(伊藤昌亮)」『雑誌 世界』岩波書店、2025年9月8日、18-26頁。 
  4. ^ a b c 弱者をバッシングする「弱者」 「ひろゆき論」書いた大学教授の警鐘”. 毎日新聞 (2023年4月21日). 2025年4月30日閲覧。
  5. ^ なぜ若者は斎藤氏、国民民主、石丸氏に投票したのか その2つの争点”. 朝日新聞 (2024年11月27日). 2025年4月30日閲覧。
  6. ^ 伊藤 昌亮|文学部|SEIKEIのゼミ・研究室|成蹊大学”. 成蹊大学. 2025年4月30日閲覧。
  7. ^ なぜ与党の政策は有権者に響かず、国民民主党、参政党の政策が響いたのか――。”. 月刊『潮』2025年10月号 (2025年9月16日). 2025年9月30日閲覧。
  8. ^ a b 令和6年度川崎市人権学校「-ネットヘイトを止めるために、私たちができること-」を開催します!”. 川崎市 (2024年11月19日). 2025年4月30日閲覧。
  9. ^ メディア学者が読み解く参院選「究極のポピュリズム」 抜本的議論、避けるが勝ち?”. 毎日新聞 (2025年7月17日). 2025年9月30日閲覧。
  10. ^ 伊藤 昌亮 Masaaki Ito”. 現代ビジネス. 2025年4月30日閲覧。
  11. ^ a b 伊藤昌亮”. 朝日新聞コメントプラス. 2025年4月30日閲覧。
  12. ^ 硬直するコンプライアンス、本来は「自律」のための道具だった 成蹊大教授、伊藤昌亮氏”. 産経新聞 (2025年1月31日). 2025年4月30日閲覧。
  13. ^ フラッシュモブズ:儀礼と運動の交わるところ 伊藤昌亮”. 国立国会図書館. 2015年8月16日閲覧。
  14. ^ 伊藤 昌亮(いとうまさあき)成蹊大学教授”. 書評専門紙「週刊読書人ウェブ」. 2019年10月12日閲覧。
  15. ^ 学部長挨拶”. 成城大学. 2025年4月30日閲覧。
  16. ^ 伊藤昌亮 (2005年1月31日). “ネットに媒介される儀礼的パフォーマンス : 2ちゃんねる・吉野家祭りをめぐるメディア人類学的研究”. マス・コミュニケーション研究 (日本マス・コミュニケーション学会) (66): 91-110. NAID 110002954345
  17. ^ 奇妙なナショナリズムの時代 排外主義に抗して”. 岩波書店. 2025年4月30日閲覧。
  18. ^ <論壇時評>「石丸現象」が示したもの 自己責任社会 権威への異議 中島岳志”. 東京新聞 (2024年8月1日). 2025年4月30日閲覧。
  19. ^ 〈スペシャル対談 伊藤昌亮×雨宮処凛〉生きづらさを抱えた現代人が「リベラル」を嫌う理由 〜ひろゆき人気に見る冷笑系ブームと弱者争いがもたらしたもの(前編)”. imidas (2024年11月12日). 2025年4月30日閲覧。
  20. ^ 石丸・玉木・斉藤 現象を読み解く〜伊藤昌亮さん【雨宮処凛のせんべろ酒場】20250130”. デモクラシータイムス (2025年1月30日). 2025年4月30日閲覧。
  21. ^ a b 「弱者男性」は「差別」されているのか? 社会から“排除”されてきた「低学歴中年男性」の支援に必要な視点”. 弁護士JP (2024年5月24日). 2025年4月30日閲覧。
  22. ^ 藤田直哉 (2024年11月20日). “「弱者男性」──男性には「特権」があるのか、それとも「つらい」のか”. 晶文社. 2025年4月30日閲覧。
  23. ^ 論壇時評 岸田首相が3年間でなしたこと、やり残したこと 宇野重規さん”. 朝日新聞 (2024年8月29日). 2025年4月30日閲覧。
  24. ^ 論壇委員が選ぶ今月の3点”. 朝日新聞 (2025年1月30日). 2025年4月30日閲覧。
  25. ^ 影響力増すSNS/トランプ2.0/教員不足”. 毎日新聞 (2025年1月23日). 2025年4月30日閲覧。
  26. ^ 岩波講座 社会学 第13巻 政治・社会運動”. 岩波書店. 2025年8月3日閲覧。
  27. ^ 石破政権の外交/石破辞めるな/新・多党化”. 毎日新聞 (2025年9月25日). 2025年9月30日閲覧。
  28. ^ 「普通の日本人」の素朴な不安━━。アメリカの分断と日本のノスタルジー”. ハフポスト (2025年9月29日). 2025年9月30日閲覧。
  29. ^ 東京都知事選2024選挙特番 新“ネット地上戦”のゆくえ|ゲスト:浜田敬子・和田靜香・伊藤昌亮・藤井セイラ”. ポリタスTV (2024年7月7日). 2025年4月30日閲覧。
  30. ^ 特集「クルド人めぐるSNS投稿をきっかけに考える~ネットの真実とデマ」”. TBSラジオ (2025年4月21日). 2025年4月30日閲覧。
  31. ^ 特集「JICAのホームタウン事業撤回をキッカケに考える。多文化共生とネット言説との向き合い方」”. TBSラジオ (2025年9月29日). 2025年9月30日閲覧。
  32. ^ 石丸伸二さんは「新しいポピュリズム」 就職氷河期世代以降の中年世代が「石丸さんへの憧れ」で支持か”. テレビ愛知 (2024年9月12日). 2025年4月30日閲覧。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「伊藤昌亮」の関連用語

伊藤昌亮のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



伊藤昌亮のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの伊藤昌亮 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS