假寧令
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/27 15:55 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動假寧令(けにょうりょう)は、律令法において官人の休暇(假)について定めた規定。養老令では第25番目に位置して13条から構成されている。
概要
養老令においては、
- 給休假(假の支給)
- 定省假条(畿外に住む親元への帰省)
- 職事官(服喪を理由とした解官または假)
- 無服殤条(無服の殤[1]を理由とした假)
- 師経受業(大学寮・典薬寮などにおける恩師が死去した場合の服喪を理由とした假)
- 改葬(改葬を理由とした假)
- 聞喪(遠方の親族の喪を知った場合)
- 給喪葬(親族の葬儀のための往復に要する日数分の假を別途支給する規定)
- 給喪假(服喪を理由とする假の起算日)
- 官人遠任(国司など遠国に赴任している官人に服喪の事態が生じた場合)
- 請假(假の申請手続)
- 外官聞喪(国司などの外官が服喪の報を聞いた時)
- 外官任訖(外官が任務を終えて帰還する場合の準備のための假)
在京の諸司においては通常6日ごとに1日、一斉に假を取ることが不都合な中務省・宮内省・衛府の供奉担当者は月に1度5日分の假が与えられた。更に5月と8月の農繁期に出された田假や畿外に住む親のために帰省するための定省假など各種の休暇規定があった。なお、假を取る際には一定身分以上の者は事前に天皇に奏聞する必要があり、特に五位以上の官人が畿外に出るときには厳格な規定が存在した。
脚注
- ^ 7歳以下の幼児が亡くなった場合には父母と言えども服喪しないという、礼における慣習。
参考文献
- 井上辰雄「假寧令」(『国史大辞典 5』(吉川弘文館、1985年) ISBN 978-4-642-00505-0)
- 野村忠夫「仮寧令」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-04-031700-7)
- 井上光貞・関晃・土田直鎮・青木和夫校注『律令』(日本思想大系新装版、岩波書店、1994年)ISBN 978-4-00-003751-8
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