五十嵐秀彦とは? わかりやすく解説

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五十嵐秀彦

五十嵐秀彦の俳句

かたくりや希望は別の名で咲きぬ
こときれてゆく夕凪のごときもの
ちちろ虫夢で逢うたが忘れたか
てのひらに穴ありいつの日か吹雪く
なあ友よこの世だつて存外寒い
ひとひらは春の月面まで届く
コクトーの細き手首やいなつるび
メロンパン買つてあやめのそのほとり
一代の咎あれば言へ沙羅の花
三鬼の忌他人ばかりの靴ならび
下駄なんか履いてゐる人ほととぎす
不可知なる言葉すずらんなどと呼ぶ
円光に刻降り積もる木菟の耳
冬ざれてゆくわがまなこまなぶたも
冬の日のなほあたたかな時を病む
十三夜女ばかりのバスに乗り
十月や父に病衣と管五本
千年は散るに迅くて春の雪
地の限り人の限りを黄沙降る
声のせしゆふべに罌粟の花となる
大寒や人は柩を空に置く
新涼や夕餉に外す腕時計
日記買ふ絶望の魚捨つるため
春の雪掘る死にし蝶探すごと
月光の告訴満ちゐる口の中
月照らす机上流砂のごとき文字
末裔の那智火祭を浴びにけり
本郷に軍人の墓黒麦酒
杉は昏れゆく十八夜月を待つ
柊を挿し片づかぬ顔でゐる
沫雪やわれらと呼ぶに遅すぎて
消しゴムの腹より折るる遅日かな
溺れゆくこと飛ぶことに似る銀河
犬の来て銀河に触るる川堤
狐火や広重ひとり吾もひとり
現代と書き野遊びに出でにけり
白に白重ぬる雪の音を聴く
白鳥帰る一羽は死者のポケットに
窓ぬぐふ人惜しみ年惜しむとき
自転車に青空積んで修司の忌
花散つて藍のさざなみインク瓶
虚子の忌の飛行機雲をくぐりけり
蝶有罪あるいは不在雨あがる
読初の仰臥漫録日のにほひ
遊行忌や月光譚を巻き終へて
降る雪に重たき耳をふたつ持つ
雪の華あなたに見せてゐて暮れる
靴底の雪剥がし黙剥がしけり
魂ひとつ青野に還す血曼荼羅
鰐を飼ふ青年教師夏休
 

五十嵐秀彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/16 02:15 UTC 版)

五十嵐 秀彦(いがらし ひでひこ、1956年3月12日 - )は、俳人北海道帯広市生まれ。札幌市在住。現代俳句協会俳人協会会員。漫画家の田島ハルは次女[1]

札幌北高等学校明治学院大学法学部法律学科卒。1994年より句作を開始。俳誌「藍生」にて黒田杏子「雪華」にて深谷雄大に師事。[2][3]

来歴

  • 2001年 超結社のメール句会「迅雷句会」起ち上げ。
  • 2003年 「寺山修司俳句論」で現代俳句評論賞受賞、藍生新人賞受賞。
  • 2004年 雪華俳句賞受賞。
  • 2008年 第2回遊行賞受賞。
  • 2011年 北海道新聞「道内文学時評(俳句)」執筆担当(~現在)。
  • 2012年 北海道に俳句集団「itak(アイヌ語で「言葉」の意)」を発足。
  • 2013年 第1句集『無量』刊行、北海道新聞俳句賞佳作。藍生賞、北海道文化奨励賞受賞。
  • 2017年 北海道新聞「新・北のうた暦」分担執筆(~現在)。
  • 2018年 朝日新聞「道内俳壇」選者。中北海道現代俳句協会会長。現代俳句協会理事[4]現代俳句評論賞選考委員(-2022)[5]北海道文学館理事[6]
  • 2019年 月刊誌「俳句」(角川文化振興財団)6月号より「令和俳壇」選者。
  • 2022年 同人誌「アジール ASYL」創刊。
  • 2023年 第2句集『暗渠の雪』刊行[7]現代俳句協会評議員。
  • 2024年 第44回鮫島賞受賞(北海道俳句協会)。

著書

  • 第1句集 『無量』(2013年、書肆アルス)
  • 花森こま編 『君住む街角』(共著、2013年、文學の森)
  • 第2句集 『暗渠の雪』(2023年、書肆アルス)

脚注

  1. ^ 田島ハルのブログ
  2. ^ 「北の表現者たち2014」(北海道文学館)P16
  3. ^ 現代俳句協会/GHOC現代俳句オープンカレッジ講師
  4. ^ 現代俳句協会/主要役員
  5. ^ 現代俳句協会/現代俳句評論賞
  6. ^ 公益財団法人北海道文学館のあゆみ
  7. ^ マブソン青眼, 角川書店刊「俳句 (雑誌)」 2023年10月号, 五十嵐秀彦句集『暗渠の雪』書評・「北方の魂(ラマ)と現代的詩心と」

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