上端接弧と下端接弧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/07 21:45 UTC 版)
太陽高度が30度以下になると、この膨らんだ部分が消失し、外接ハロは太陽の上下に分離した2つの弧となる。この2つの弧のうち上側のものを上部タンジェントアーク(じょうぶ - 、Upper tangent arc)あるいは上端接弧(じょうたんせっこ)、下側のものを下部タンジェントアーク(かぶ - 、Lower tangent arc)あるいは下端接弧(かたんせっこ)と呼ぶ。これらも内暈の外側に接するように見えることは外接ハロと同じである。また、上部タンジェントアークと下部タンジェントアークを総称してタンジェントアークと呼ぶこともある。 太陽高度が30度に近い時には上部タンジェントアークは上下にかなりつぶれたM字型に見えるが、太陽高度が低くなるにつれて上に伸びて左右の部分が消えていき、ややつぶれたV字型に変形していく。一方下部タンジェントアークは、太陽高度が30度に近い時にはつぶれたΛ字型をひっくり返した形であるが、太陽高度が低くなると徐々に下に伸びてより尖ったΛ字型になる。太陽高度が22度以下になると下部タンジェントアークは地平線下に見えなくなってしまう。このように下部タンジェントアークは観測できる太陽高度が極めて狭い範囲であるため、観測が難しい。飛行機などからは太陽高度が22度以下でも下部タンジェントアークを観測できる。この場合、太陽高度が低くなるにつれて再びΛ字が開いていき、太陽高度が0度のときに上部タンジェントアークと下部タンジェントアークが太陽を挟んで対称になる。 タンジェントアークという名前はtangent(接する)とarc(弧)からきており、「接する弧」を意味する。タンジェントアークはどの太陽高度でも、内暈の上端と下端に接した円弧の形をしているので、この名が当てられたと考えられる。三角関数のタンジェントとは直接の関係は無い。
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