一実変数関数のテイラー展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 15:34 UTC 版)
「テイラー展開」の記事における「一実変数関数のテイラー展開」の解説
「テイラーの定理」も参照 正弦関数 f ( x ) = sin x {\displaystyle f(x)=\sin x} の x = a {\displaystyle x=a} におけるテイラー級数のうち次数の少ない項のみを抽出したもの ∑ k = 0 n f ( k ) ( a ) k ! ( x − a ) k {\displaystyle \sum _{k=0}^{n}{\frac {f^{(k)}(a)}{k!}}(x-a)^{k}} (マウスホイールで n {\displaystyle n} を変更) 点 a を含む実数の開区間 I ⊆ R 上で無限階微分可能な関数 f ∈ C∞(I) が与えられたとき、べき級数 ∑ n = 0 ∞ f ( n ) ( a ) n ! ( x − a ) n {\displaystyle \sum _{n=0}^{\infty }{\frac {f^{(n)}(a)}{n!}}(x-a)^{n}} を関数 f の点 a まわりのテイラー級数という。ここで n! は n の階乗、f (n)(a) は x = a における f の n 次微分係数である。また、便宜的に (x − a)0 は 1 であると定義する。テイラー級数が収束し、元の関数 f に一致するとき、f はテイラー展開可能であるという。テイラー展開がある大域的な領域の各点で可能な関数は、その領域において解析的 (analytic) である、またはその領域上の解析関数 (analytic function) であるという。 ここで一般には関数 f が無限回微分可能であってもそのテイラー級数が x ≠ a で収束するとは限らず、たとえ収束しても一致するとは限らないことに注意が必要である。一致するかどうかは、テイラーの定理における剰余項 Rn が 0 に収束するかどうかによって判定できる;ここで剰余項 Rn は、ある c ∈ (a, x) が存在して、 R n ( x ) = f ( n ) ( c ) n ! ( x − a ) n {\displaystyle R_{n}(x)={f^{(n)}(c) \over n!}(x-a)^{n}} と書ける。または積分を用いて、次のように表せる。 R n ( x ) = 1 ( n − 1 ) ! ∫ a x ( x − t ) n − 1 f ( n ) ( t ) d t {\displaystyle R_{n}(x)={\frac {1}{(n-1)!}}\int _{a}^{x}(x-t)^{n-1}f^{(n)}(t)\,\mathrm {d} t} また、この剰余項を評価することで関数の近似値を精度保証つきで数値的に求めることもできる(テイラーの定理#例を参照)。 特に a = 0 における以下のような展開 ∑ n = 0 ∞ f ( n ) ( 0 ) n ! x n {\displaystyle \sum _{n=0}^{\infty }{\frac {f^{(n)}(0)}{n!}}x^{n}} をマクローリン展開(マクローリンてんかい、英: Maclaurin expansion; 名称は数学者コリン・マクローリンに由来する)と呼ぶ。
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