ラオス国営航空301便墜落事故とは? わかりやすく解説

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ラオス国営航空301便墜落事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/29 08:02 UTC 版)

ラオス国営航空301便
事故機 (RDPL-34233)
航空事故の概要
日付 2013年10月16日
概要 パイロットエラーCFIT
現場 ラオス パークセー郡メコン川
北緯15度09分06秒 東経105度43分59秒 / 北緯15.15167度 東経105.73306度 / 15.15167; 105.73306座標: 北緯15度09分06秒 東経105度43分59秒 / 北緯15.15167度 東経105.73306度 / 15.15167; 105.73306
乗客数 44
乗員数 5
負傷者数 0
死者数 49 (全員)
生存者数 0
機種 ATR 72-600
運用者 ラオス国営航空
機体記号 RDPL-34233
出発地 ワットタイ国際空港
目的地 パークセー国際空港
テンプレートを表示
VTE/VLVT
PKZ/VLPS
事故現場、出発地、到着地の位置

ラオス国営航空301便墜落事故(ラオスこくえいこうくう301びんついらくじこ)は、2013年10月16日ラオスで発生した航空事故である。ラオス国営航空の旅客機がメコン川に墜落した。事故調査報告書では、事故原因は乗員が定められた進入復行手順を適切に実施しなかったためであると結論された[1]

事故概要

現地時間の10月16日14時45分頃、ラオス国営航空QV301便が、首都ビエンチャンから南部のパークセー郡に向かう途中、目的地のパークセー国際空港から6km程手前のメコン川に墜落した[2]。事故当日は台風25号(ナーリー)の影響で天候が悪化しており、301便は一度着陸復行していた。301便は着陸復行後、進入しなおす途中(ダウンウィンド・レグ)で一旦地面に強く叩きつけられた後、メコン川に墜落した[3]

事故機のRDPL-34233は2013年3月にラオス国営航空に納入された機体で、飛行時間はわずか758時間であった[4][5]

結果

外国人27人を含む乗客44人や乗務員5人が全て死亡したと確認された[6]。乗客らは衝撃により死亡したとされる[7]

乗客 乗務員 合計
ラオス 16 4 20
フランス 7 7
オーストラリア 6 6
タイ 5 5
韓国 3 3
 ベトナム 3 3
カンボジア 1 1
中国 1 1
マレーシア 1 1
台湾 1 1
アメリカ合衆国 1 1
合計 44 5 49

事故調査

ラオス民間航空局は事故を受けて調査を開始し[4]、機体を製造したATRフランス航空事故調査局 (BEA) が支援した[8]。BEAは調査官4名をラオスに派遣した[9]

機体の残骸は同年10月22日にメコン川から引き揚げられた[10]フライトデータレコーダーコックピットボイスレコーダーも事故から3週間のうちにメコン川から引き揚げられた[8][11]

公式事故調査報告書は2014年11月に公開され、事故原因は悪天候により着陸復行した際、乗員が定められた進入復行手順を適切に実施しなかったために地上に激突したものとされた[12]。フライトデータの解析により、乗員は進入復行経路で定められた高度に達しないまま右旋回していたことが明らかになった。具体的には、乗員が進入復行経路に従わず高度600フィートで飛行したため機体システムが高度捕捉モードに遷移していた。その後、高度が低すぎることに気付いた乗員が高度を上げようとして急激に機首上げ操作を行い、仰角が33°にまで達していた。続いて機体が木にぶつかり、胴体をメコン川の土手に打ち付けてからメコン川に突っ込んだ。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Corben, Ron (2014年11月29日). “Pilot error 'probable cause' for Lao crash”. Seven News (Australia). https://au.news.yahoo.com/world/a/25642322/pilot-error-probable-cause-for-lao-crash/ 2014年11月29日閲覧。 
  2. ^ “ラオス 旅客機墜落49人全員死亡か”. NHKニュース. (2013年10月17日). オリジナルの2013年10月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131021073438/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131017/k10015337361000.html 2022年11月29日閲覧。 
  3. ^ “ラオスで旅客機墜落、44人死亡 豪州、韓国人らの名も”. MSN産経ニュース. (2013年10月16日). オリジナルの2013年10月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131020215018/http://sankei.jp.msn.com/world/news/131016/asi13101622340004-n1.htm 2022年11月29日閲覧。 
  4. ^ a b Pongkhao, Somsack. “Recovery effort underway after Lao Airlines plane crash”. Vientiane Times. 2013年10月18日閲覧。
  5. ^ Lao Airlines ATR 42/72 - MSN 1071 - RDPL-34233”. airfleets.net. 2013年10月16日閲覧。
  6. ^ “ラオスで旅客機墜落、中国人2人含む49人死亡”. 中国国際放送局. (2013年10月17日). http://japanese.cri.cn/881/2013/10/17/141s213702.htm 
  7. ^ Doksone, Thanyarat. “49 feared dead in plane crash in Laos”. Associated Press. 2013年10月16日閲覧。
  8. ^ a b Hradecky, Simon. “Crash: Lao AT72 at Pakse on Oct 16th 2013, went into Mekong River on approach”. The Aviation Herald. 2013年10月16日閲覧。
  9. ^ Flight QV 301 on 16 October 2013 – ATR 72–600”. Bureau d'Enquêtes et d'Analyses pour la Sécurité de l'Aviation Civile. 2013年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月17日閲覧。() – French version(Archive)
  10. ^ 26 bodies identified, Lao aircraft lifted from Mekong River”. MCOT (2013年10月23日). 2013年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月24日閲覧。
  11. ^ Announcement#11”. Lao Airlines. 2013年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月31日閲覧。
  12. ^ Summary of Final Report on ATR72-600 Aircraft QV 301 Accident Investigation”. 2015年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月15日閲覧。

外部リンク



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