ヤブロチコフの蝋燭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 18:51 UTC 版)
「パーヴェル・ヤブロチコフ」の記事における「ヤブロチコフの蝋燭」の解説
既存のアーク灯は発電装置に加え、電極棒間の距離を保つために複雑な機械仕掛けを必要とした(電極棒は使用によって消耗するが、放電の仕方を一定に保つためには電極間の距離を一定に保たなければならない)。「ヤブロチコフの蝋燭」においてそれを廃するために取られた改良点は、基本的には「電源に交流を使用する」、「2本の電極棒を平行に据える」という二点の単純な変更のみである。この二点によって距離調整機構が不要となる理由は、まず交流の使用によって両電極は平等となり、電極棒間は平行なので2本が同じペースで消耗する分にはその先端同士の距離も変わらず、いわば電極棒の先端間の距離が自発的に保たれるからである。 なおかつ、電極棒の先端以外で放電が起こらないよう、電極棒間に石灰のような適度に熱に弱い絶縁体が挟まれた。この充填物は先端以外の部分では両電極間を絶縁するが、電極棒が消耗してゆく(電極棒の先端部すなわち放電部が下がってゆく)につれて、先端部(放電している部分)の熱でそこに近い部分から徐々に揮発してゆくため、各時点での先端部における放電を妨げることはない。 ヤブロチコフの蝋燭は最初の実用的電気照明であると共に、交流電源の最も初期の実際的利用の例でもあった。
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