モホ不連続面とは? わかりやすく解説

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モホ‐ふれんぞくめん【モホ不連続面】

読み方:もほふれんぞくめん

モホロビチッチ不連続面


モホロビチッチ不連続面

(モホ不連続面 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/03 14:27 UTC 版)

世界各地のモホロビチッチ不連続面の深さ
モホロビチッチ不連続面 (Mohorovičić discontinuity) でのP波の屈折

モホロビチッチ不連続面(モホロビチッチふれんぞくめん、: Mohorovičić discontinuity[1])とは、地震波速度の境界であり、地球地殻マントルとの境界のことである。日本ではしばしばモホ不連続面: Moho discontinuity[1])あるいはモホ面と略されることがある[2]

概要

1909年クロアチア地震学者であるアンドリア・モホロビチッチは、地震観測の途上で、地球内部のある深さを境としてP波(地震の初期微動)の速さが変化することを発見した。モホロビチッチの名を取って、この境界面はモホロビチッチ不連続面と命名された[3]

モホロビチッチ不連続面の上側(地殻)に比べ、下側(マントル)では岩石の密度が不連続に大きくなり、地震波の速さが不連続に速くなる。P波の速度は地殻で6キロメートル (km/s)から7 km/s、マントルで8 km/sである。また、S波の速度も地殻で約3.5 km/s、マントルで約4.5 km/sとなる[3][4]。この地震波速度の変化は、マントルの剛性率が地殻よりも高く、物理的に強固で変形しにくい(日常的な言葉で言えば、マントルは地殻より硬い)ことを示す。この見解は21世紀の現在でも広く受け入れられており、「地殻は硬くマントルは柔らかい」とする19世紀の常識と相反する。

モホロビチッチ不連続面の深さは大陸部で深く、大洋底で浅い。海洋では約5 kmから7 kmなのに対し、大陸の平均的な地域では地下約30 kmから40 kmであり、ヒマラヤや南米では地下70 kmから80 kmにも達することがある[5]

脚注

  1. ^ a b 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、96頁。ISBN 4-8181-8401-2 
  2. ^ 「モホロビッチ不連続面」と記述されることもあるが、これは誤記である。
  3. ^ a b デジタル大辞泉の解説”. コトバンク. 2018年2月9日閲覧。
  4. ^ Q & A”. 金沢大学理工学域自然システム学類地球学コース, 金沢大学大学院自然科学研究科自然システム学専攻地球環境学コース. 2019年3月9日閲覧。
  5. ^ 原辰彦「地球の地震学的構造」(PDF)『地学雑誌』第114巻第3号、東京地学協会、2005年、323-337頁、 ISSN 1884-08842019年3月16日閲覧 

関連項目

外部リンク

  • 山賀進. “地球の構造-1-”. 山賀 進のWeb site. われわれは何者か. 2012年8月10日閲覧。


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