マルクス・ユニウス・シラヌス (紀元前25年の執政官)とは? わかりやすく解説

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マルクス・ユニウス・シラヌス (紀元前25年の執政官)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 14:05 UTC 版)

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マルクス・ユニウス・シラヌス
M. Iunius D. f. M. n. Silanus
出生 不明
死没 不明
出身階級 ノビレス
氏族 ユニウス氏族
官職 トリブヌス・ミリトゥムもしくはレガトゥス紀元前43年
クァエストル紀元前34年ギリシア
プロクァエストル紀元前33年-32年?)
執政官紀元前25年
アウグル紀元前34年以前)
指揮した戦争 ローマ内戦、シチリア反乱
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マルクス・ユニウス・シラヌスラテン語: Marcus Iunius Silanus)は、共和政ローマ末期から帝政ローマ初期の政務官紀元前25年ガイウス・ユリウス・カエサル・オクタウィアヌスと共に執政官となった[1]

家族

シラヌスはローマ人ノビレス(貴族)のユニウス・シラヌス家の後裔である。おそらく父は紀元前62年に執政官を務めたデキムス・ユニウス・シラヌスで、それが正しければ紀元前109年に執政官を務めたマルクス・ユニウス・シラヌスの孫ということになる。母はユリウス・カエサルの愛人としても知られるセルウィリアである。それゆえマルクス・ユニウス・ブルトゥスとは異父兄弟、ユニア・プリマ、ユニア・セクンダ、ユニア・テルティアとは同父母兄妹であり、セクンダの夫であるマルクス・アエミリウス・レピドゥスは義兄弟ということになる[2][3]

シラヌスの孫マルクス・ユニウス・シラヌス・トルクァトゥスは19年に執政官になり、アウグストゥスのひ孫と結婚している[4]

度重なる転身

紀元前53年、シラヌスはガイウス・ユリウス・カエサルに仕えるレガトゥスの一人となった[5][6]

紀元前44年にカエサルが暗殺された後、シラヌスはレピドゥスに従いアルプス越えをした。翌年、レピドゥスはムティナで元老院派と戦っているマルクス・アントニウスへの援軍としてシラヌスを派遣した[7]が、自身ではその責任を取らなかった [8]。その後、三頭政治の面々の信用を失ったシラヌスは、紀元前39年にセクストゥス・ポンペイウスの反乱軍の下に走った[9]。しかし同年にミセヌム条約が結ばれたことで、シラヌスはアントニウスのもとに戻ることを許された[10]

紀元前34年から紀元前32年にかけて、シラヌスはアントニウスに従いギリシアマケドニアで戦った[11]。この時の彼の地位はクァエストル・プロ・コンスレで、翌年以降はプロクァエストルだったと考えられている[12]。これより前、シラヌスはアウグルにも選出されている[13]

オクタウィアヌスのもとでの出世

アクティウムの海戦より前に、シラヌスはオクタウィアヌスのもとに走った[14]。アントニウスに勝利し将来皇帝となるオクタウィアヌスは、紀元前30年にシラヌスをパトリキに昇格させ[15]、紀元前25年には共に執政官を務めた[16][17]

脚注

  1. ^ Attilio Degrassi, I fasti consolari dell'Impero Romano dal 30 avanti Cristo al 613 dopo Cristo (Rome, 1952), p. 3
  2. ^ Oxford Classical Dictionary, 2nd Ed. (1970).
  3. ^ Realencyclopädie der Classischen Altertumswissenschaft.
  4. ^ Oxford Classical Dictionary, 2nd Ed. (1970).
  5. ^ Anthon & Smith, pg. 812
  6. ^ 同姓同名の別人説もある. Broughton, pg. 231
  7. ^ Anthon & Smith, pg. 812; Syme, pg. 178
  8. ^ Broughton, pg. 352
  9. ^ Syme, pg. 189
  10. ^ Broughton, Vol III, pg. 114
  11. ^ Broughton, pg. 415
  12. ^ Broughton, pgs. 359 & 411
  13. ^ Broughton, pg. 412
  14. ^ Syme, pg. 296
  15. ^ Syme, pg. 382
  16. ^ T. Robert S. Broughton, The Magistrates of the Roman Republic (1952).
  17. ^ Oxford Classical Dictionary, 2nd Ed. (1970).

参考文献

  • T. Robert S. Broughton, The Magistrates of the Roman Republic, Vol II (1952).
  • Syme, Ronald, The Roman Revolution(ローマ革命), Clarendon Press, Oxford, 1939.
  • Anthon, Charles & Smith, William, A New Classical Dictionary of Greek and Roman Biography, Mythology and Geography (1860).

関連項目

公職
先代:
アウグストゥス VIII
ティトゥス・スタティルス・タウルス II
執政官
同僚:アウグストゥス IX
紀元前25年
次代:
アウグストゥス X
ガイウス・ノルバヌス・フラックス



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