ポイボス・アポローンの銀弓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 06:05 UTC 版)
「イーリアス」の記事における「ポイボス・アポローンの銀弓」の解説
先の戦いで、アカイア勢(ギリシア軍)はトロイア側にささやかな勝利を収め、戦利品を手に入れた。しかし、その戦利品のなかには、光明神ポイボス・アポローンの神官であるクリューセースの娘クリューセーイスもまた含まれていた。戦闘の混乱のなかでアカイア勢に捕らわれた娘を返して貰おうと、神官クリューセースはアカイア軍の陣地を貢物を携え訪れるが、傲ったアカイア勢はクリューセースを侮辱する。 目的を果たせず、海辺を一人戻るクリューセースは、自らが仕える神アポローンに祈り、「アカイア軍に報いを」と求める。ムーサの言葉は劇的に転回し、クリューセースがこう祈るや、オリュンポスの高みより、ポイボス・アポローンが銀弓を手に空を飛び、アカイア軍の陣地の上空に至るや、数知れぬ矢を射かけ、アカイア軍陣地は、神の送る疫病に悲鳴をあげて倒れる兵士たちの修羅場と変ずる。 しかし、雄壮なアポローンの活躍を活写した後、なお、なぜアキレウスは怒っているのか、その理由は不明である。こうして、詩はさらに続いて行く。
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