ボーフォール (チーズ)とは? わかりやすく解説

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ボーフォール (チーズ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/07 13:08 UTC 版)

ボーフォール
Beaufort
分類 セミハード
原料 牛乳[1][2]
原産国 フランス
原産地 サヴォワ地方
生産場所 酪農協同組合、酪農工場、農家、シャレ(山小屋[3])など
形状 車輪型。側面は窪みを見せる。
大きさ 直径35-75cm、高さ11-16cm
重量 20,000-70,000g(平均40,000g[4]
乾燥成分 62/100g
脂肪分 48%以上
表皮 濃い黄色や茶色
熟成 4ヶ月以上、5ヶ月以上[5]
呼称統制 AOC (1968[5])
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ボーフォールフランス語: Beaufort)は、フランスサヴォワ地方のサヴォワ県の大部分とオート=サヴォワ県の一部で生産される、牛乳を原料としたチーズ[5]。ハードタイプに分類される[2]ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン (1755 - 1826) がチーズの「プリンス」と賛辞を述べたのは、このチーズをさしているとされる[6]。名称のボーフォールは産地のコミューンのひとつ、ボーフォール (サヴォワ県)英語版に由来する[5][7][8]。同じ地方で生産されるアボンダンスとの類似が指摘されるが、大きさはボーフォールの方が大きい[9]

正確な年代は不明ながら起源は中世にさかのぼり、ヴァシュラン(この地方やスイスなどで牛乳から生産されるウォッシュチーズの総称[10])を作っていた人々が17世紀にグリュイエールチーズの製法を導入し、グロヴィール (grovire) と呼ばれる、現代のボーフォールに似たチーズの生産を始めた[5]。ボーフォールの文献への初出は1865年とされ、製法はこのころから現代までおおむね変わっていないとされる[5]。1968年にはAOC認定を受けた[5]

ボーフォールには呼称による分類があり、普通のボーフォールのほかに「エテ (été)」および「アルパージュ (alpage)」がある。この2つは夏の間に放牧牛の牛乳から作られるボーフォールをさし、中でもアルパージュはシャレ(山小屋[3])で作成されるものに限定される[7][11]。ボーフォールはAOC認定の際、生産地を海抜800メートル以上と限定されているが[5]、アルパージュを名乗るためのシャレは標高1500メートル以上に立地することが必要とされる[7][11]。この「ボーフォール・ダルパージュ (beaufort d'alpage) 」は「最高級[11]」「絶品[4]」「個性的で希少で高価[7]」などと評される。

味は甘味が感じられ[4]、「青草、花、フルーツ、ナッツ」と表現される複雑な風味を持つ[7]。ワインやクルミ入りのパンと合わせたり、フォンデュに使ってもよい[4]

脚注

  1. ^ 以下「基本情報」欄は、特記の無い限り下記文献(本間, 増井 & 山田 2009, p. 18)による。
  2. ^ a b 本間るみ子; 増井和子; 山田友子 著、文藝春秋 編『チーズ図鑑』 182巻(7版)、株式会社文藝春秋〈文春新書〉、2009年、18頁。ISBN 4-16-660182-2 
  3. ^ a b 前掲 (本間, 増井 & 山田 2009, p. 25)。
  4. ^ a b c d 本間るみ子 著、主婦の友社 編『チーズの選び方 楽しみ方』株式会社主婦の友社、2012年、145頁。 ISBN 978-4-07-285215-6 
  5. ^ a b c d e f g h 日仏料理協会 編『フランス 食の事典(普及版)』株式会社白水社、2007年、624頁。 ISBN 978-4-560-09202-6 
  6. ^ 前掲 (本間 2012, p. 145)。ただし、後述のようにボーフォールの名の初出は1865年とされている。
  7. ^ a b c d e かのうかおり (2014年). “アルプスのチーズ「ボーフォール」”. All About. 2014年10月26日閲覧。
  8. ^ アルベールヴィル近郊。
  9. ^ 前掲 (本間 2012, p. 146)
  10. ^ 前掲 (日仏料理協会 2007, p. 52)
  11. ^ a b c ボーフォール ダルパージュ”. サントリー. 2014年10月26日閲覧。

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