ブギー・ナイツとは? わかりやすく解説

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ブギーナイツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/30 07:36 UTC 版)

ブギーナイツ
Boogie Nights
監督 ポール・トーマス・アンダーソン
脚本 ポール・トーマス・アンダーソン
製作 ポール・トーマス・アンダーソン
ロイド・レヴィン
ジョン・S・ライオンズ
ジョアン・セラー
製作総指揮 ローレンス・ゴードン
出演者 マーク・ウォールバーグ
音楽 マイケル・ペン
カリン・ラットマン
撮影 ロバート・エルスウィット
編集 ディラン・ティチェナー
配給 ニュー・ライン・シネマ
ギャガ・コミュニケーションズ
公開 1997年10月10日
1998年10月10日[1]
上映時間 156分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $15,000,000
興行収入 $26,400,640[2]
$43,101,594[2]
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ブギーナイツ』(Boogie Nights)は、1997年制作のアメリカ映画

本作は1988年のポール・トーマス・アンダーソン監督・脚本の短編映画『The Dirk Diggler Story』を長編に作り直したものである[3][4]

主人公には実在したポルノ男優であるジョン・ホームズをモデルにしており、1970年代末から1980年代にかけてのポルノ業界の光と影にスポットライトを当てた作品となったため、公開当時は一部で内幕モノで特に監督と主演俳優の確執、特に主役のエゴを描いた事から、フランソワ・トリュフォーの『アメリカの夜』を思わせる内容だとして“ポルノ業界版「アメリカの夜」”と称された。

第70回アカデミー賞では脚本賞助演男優賞バート・レイノルズ)、助演女優賞ジュリアン・ムーア)の3部門にノミネートされた。

スティーヴン・ジェイ・シュナイダーの『死ぬまでに観たい映画1001本』に掲載されている。

ストーリー

1977年カリフォルニア州トーランスに住む高校を中退したエディ・アダムス(マーク・ウォールバーグ)は、アルコール依存症で精神的・肉体的に虐待をする父親と母親と共に暮らしている。エディはレセダのナイトクラブで働き、そこでポルノ映画監督のジャック・ホーナーバート・レイノルズ)と出会う。ジャックはエディの才能を見出し、ポルノ女優「ローラーガール」(ヘザー・グラハム)とのオーディションを経て、エディを業界に引き入れる。

エディは「ダーク・ディグラー」という芸名を名乗り、容姿、若々しい魅力、特異な身体的特徴によりポルノ業界のスターとなる。ダークは豪華な家、派手な衣装、1977年製シボレー・コルベットを購入し、華やかな生活を送る。親友で共演者のリード・ロスチャイルド(ジョン・C・ライリー)と共に、アクションをテーマにしたポルノ映画シリーズを企画し成功を収める。1970年代後半のディスコ時代、彼らはポルノ業界の仲間たちと自由奔放な生活を謳歌する。

1979年の大晦日パーティーで、助監督リトル・ビル・トンプソン(ウィリアム・H・メイシー)は不倫を繰り返す妻が別の男とセックスしている現場を目撃し、妻とその相手を射殺後、自らも自殺する。

80年代に入ると、ダークとリードはコカインを常用するようになり、ダークは薬物使用により勃起不全や激しい気分の変動に悩まされ、ジャックが新たに採用したライバルの主演男優ジョニー・ドウへの苛立ちを募らせる。

1983年、ジャックとの口論の末、ダークは解雇され、リードや、ダークに恋心を抱く録音技師のスコッティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と共に音楽キャリアを目指す。一方、ジャックは地元の劇場王フロイド・ゴンドリ(フィリップ・ベイカー・ホール)からフィルムではなくビデオテープでの撮影を提案されるがそれを拒否し、品質の高い映画の製作を重視する信念を貫く。

ジャックの友人で資金提供者のカーネル・ジェームズが児童ポルノ所持で投獄され、ジャックはゴンドリと協力するが、制作する作品に幻滅する。ジャックとローラーガールがリムジンでランダムに男性を拾い、ローラーガールとセックスする様子を撮影する企画で、相手がローラーガールの元高校の同級生だったことから屈辱的な状況に陥り、二人でその男を暴行する。ポルノ女優アンバー・ウェイブス(ジュリアン・ムーア)は元夫との親権争いで、ポルノ業界への関与、犯罪歴、コカイン中毒を理由に不適格な母親と判断される。バック・スウォープ(ドン・チードル)はポルノ女優ジェシー・セント・ビンセント(メローラ・ウォルターズ)と結婚し、ジェシーが妊娠するが、ポルノ業界にいたことを理由に銀行ローンの審査に落ち、自身のステレオ機器店を開けずにいた。ある夜、バックはドーナツ店で強盗事件に巻き込まれ、店員、強盗、武装した客が相次いで死亡する中、唯一の生存者となり、誰にも見られることなく現金を持ち逃げする。

ダークとリードは薬物に金をつぎ込み音楽スターになるためのデモテープ制作費を払えず、ダークは売春に手を染めるが、3人の男に襲われ金品を奪われる。資金を工面するため、ダーク、リード、友人のトッド・パーカー(トーマス・ジェーン)は麻薬ディーラーのラハド・ジャクソン(アルフレッド・モリーナ)を騙し、ベーキングソーダコカインと偽って売ろうとする。計画は急速にエスカレートし、トッドがラハドの金を盗もうとしたことで銃撃戦に発展。トッドはラハドのボディガードを殺すが、ラハドに撃たれ死亡。ダークとリードは辛うじて逃亡する。

ダークはジャックの家に戻り、和解する。1年後、アンバーはバックの店のテレビCMを撮影し、ローラーガールはGED(高校卒業同等資格)コースを受講、モーリスは兄弟とナイトクラブを開業し、リードはストリップクラブでマジックを披露、ジェシーはバックとの子を出産する。ダーク、ジャック、アンバーは再びポルノ映画制作に取り掛かる。

キャスト

※括弧内は日本語吹き替え

主な挿入歌

評価

本作は90年代ハリウッドを代表する一作として非常に高く評価されている。映画批評サイトのRotten Tomatoesには、65件のレビューがあり、批評家支持率は92%、平均点は10点満点中8.1点となっている[5]。また、Metacriticには28件のレビューがあり、平均点は100点満点中85点となっている[6]

受賞

第70回アカデミー賞

脚注

  1. ^ ブギーナイツ”. 映画.com. 2025年2月25日閲覧。
  2. ^ a b Boogie Nights (1997)”. Box Office Mojo. 2010年1月29日閲覧。
  3. ^ Knows It When He Sees It”. 2013年9月28日閲覧。
  4. ^ His Way”. 2013年9月28日閲覧。
  5. ^ Boogie Nights (1997)”. 2013年9月28日閲覧。
  6. ^ Boogie Nights”. 2013年9月28日閲覧。

参考文献

  • アダム・ネイマン『ポール・トーマス・アンダーソン ザ・マスターワークス』井原慶一郎訳、2021年10月、DU BOOKS

関連項目

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