フェル・ディアとは? わかりやすく解説

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フェル・ディアド

(フェル・ディア から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 16:59 UTC 版)

フェル・ディアドアイルランド語: Fer Diad)は、アルスター物語群の『クーリーの牛争い』に登場する戦士。フェル・ディアフェルディアドフェルディアなどとも。 イルス・ドウナンのフィル・ドーナン族の出であり、コナハトの王の一人ダワーンの息子。 かつての里子兄弟[注釈 1]であるクー・フーリンとは固い友情で結ばれていたが、メイヴの姦計によって二人は決闘することになり、肛門に槍を刺されて命を落とす。


注釈

  1. ^ スカータハを里親とした里子兄弟[1]
  2. ^ 「刃を通さない堅固な皮膚を持つ戦士がメイヴに無理強いされ川の浅瀬で里子兄弟クー・フーリンとの決闘を行う。戦士の肉親がこれに先立ってクー・フーリンに殺害されている。クー・フーリンの闘争心を掻き立てるために味方から野次が飛ばされる。彼の御者が川の上流から流して寄越したゲイボルグという槍を受け取ったクー・フーリンはこれを戦士の肛門に突き立てて勝利を収める。決闘の地には敗死した戦士に由来した名がつけられる。」というもの。
  3. ^ 戦いその物の描写は『レンスターの書』所収の版に詳しい。フェル・ディアド、クー・フーリン、ルギド、フェル・バイスといったスカータハの里子たちの活躍や、戦いが勝利に終わりゲルマーンが生け捕りにされたことが記されている[5]
  4. ^ 女性と子供は影響を受けず、少年たちによる戦士団が結成される。またクー・フーリンの父親スアルタウもこの呪いの影響を受けなかったが、年老いており戦力として数えられなかった。父子が呪いの影響を受けなかった理由は、スアルタウがアルスターの人間ではなかったためであるとする説がある[7]
  5. ^ Mand Muresci.極めて粗野で暴力的な人物。組み打ちでクー・フーリンを三度投げ飛ばすなどと健闘してみせるが、本気を出した彼に立石めがけて投げ飛ばされ死亡した[8]。「ムレスキ」は地名であり、イルス・ドウナン同様メイヨー県に位置する。現代ではマリスク男爵領英語版と呼ばれる[9]
  6. ^ ローホ同様、彼の皮膚は戦闘時に硬化する[10]。『レンスターの書』では「浅瀬で戦う時に」とされる[11]
  7. ^ フェルグスは元々はアルスターの人間であり、クー・フーリンの間には里親として彼を養育したという縁もある。里子クー・フーリンへの家族愛から、敵対する立場ながら数々の便宜を図っている。
  8. ^ この野次はクー・フーリンの闘争心を掻き立てるためのものであり、事前の打ち合わせでクー・フーリンから命じられていた。
  9. ^ 『ローホ・マク・エモニシュの最期』では、刃を通さない胼胝状の皮膚を持つローホの弱点である肛門を狙ったことが説明されるが、『フェル・ディアドとの戦い』では特に理由は説明されない。
  10. ^ 戦いの描写は校訂本1より。一方、『レンスターの書』所収の版では校訂本1に比べ大いに加筆されている。この版では両雄の戦いは四日間に及び、一日の終わりにフェル・ディアドとクー・フーリンが互いの健闘を称えて接吻を交わすといった同性愛的とも取れる描写が加わっている。ゲイ・ボルグについても細かな説明がされている。この版によるとクー・フーリンはフェル・ディアドに対し2本のゲイ・ボルグを使用しており、また突き刺さったゲイ・ボルグは犠牲者の肉を切り取らない限り回収ができず、クー・フーリンは胸と肛門にこの槍が刺さったフェル・ディアドの遺体を切開して槍を回収するようライグに命じている。
    エジャートン写本209及び106所収の版はフェル・ディアドの戦車御者について詳しい。この版によればフェル・ディアドの御者はアイドという名であり、クー・フーリンの御者ライグの兄弟であった。アイドは主人の危機に対して手をこまねいていた訳ではなく、ゲイ・ボルグを川に流そうとするライグを妨害したが、最終的にライグに殺されてしまった[12]

出典

  1. ^ (Brown 1921, p. 155)
  2. ^ Ó Fiannachta 1973.
  3. ^ カーソン 2011, p. 316.
  4. ^ O'Rahilly 1967, p. 219、カーソン 2011, p. 196
  5. ^ (O'Rahilly 1967, pp. 232–233)(カーソン 2011, p. 230-232)
  6. ^ O'Rahilly 1976, p. 203、カーソン 2011, p. 196
  7. ^ (Hull 1911, p. 353-354)
  8. ^ (O'Rahilly 1976, pp. 194–195)(カーソン 2011, pp. 164–166)
  9. ^ eDIL - muiresc
  10. ^ (O'Rahilly 1976, p. 199)
  11. ^ (O'Rahilly 1967, p. 211)
  12. ^ (Nettlau 1890, p. 339)


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フェルディア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 10:21 UTC 版)

(仮)花嫁のやんごとなき事情」の記事における「フェルディア」の解説

通称フェル17歳。淡い銀の髪に夕暮れ色の瞳を持ち、ユナイア国王女シレイネと鏡合わせ外見を持つ。孤児院育ちのド庶民好きなモノお金

※この「フェルディア」の解説は、「(仮)花嫁のやんごとなき事情」の解説の一部です。
「フェルディア」を含む「(仮)花嫁のやんごとなき事情」の記事については、「(仮)花嫁のやんごとなき事情」の概要を参照ください。

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