フィオラノサーキットとは? わかりやすく解説

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フィオラノサーキット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/05 08:22 UTC 版)

Pista di Fiorano
所在地 フィオラーノ・モデネーゼ, イタリア
標準時 GMT +1
オープン 1972年4月8日
主なイベント
コース長 2.97641[1] km
コーナー数 12
レコードタイム 0:55.999 (ミハエル・シューマッハ, フェラーリ F2004, 2004)
サーキット外部から見たフィオラノ
F430のテスト走行の様子
コースの変移:1972 - 1995
コースの変移:1992 - 1995(シケイン設置)
コースの変移:1996 -
コースの変移:1996~(シケイン有りのレイアウト)

ピスタ・ディ・フィオラノ: Pista di Fiorano, : Fiorano Circuit)は、イタリアエミリア=ロマーニャ州モデナ県フィオラーノ・モデネーゼにあるフェラーリのテストコース。

概要

1969年フィアットがフェラーリの市販車部門を傘下に吸収。イタリア最大の自動車メーカーの資本注入により、フェラーリはマラネッロの本社工場の西側にある果樹園を買収後に造成し、1972年にフィオラノサーキットを完成させた。

行政区画上では東側の本社工場はマラネッロ、西側のフィオラノサーキットはフィオラーノ・モデネーゼに属する[2]。サーキット正門前の通りは「ジル・ヴィルヌーヴ通り (Via Gilles Villeneuve) 」と命名されており、通りの角にはヴィルヌーヴの銅像がある。

現在はフェラーリのF1マシンGTカー、XXモデルと市販車のテストに使用される。さらにオーナー向けのドライビングコースも開催されている。

コース各所には効率的なデータ収集を行えるよう、計測機やテレビモニターを配備している。また、ウェットコンディションを再現できるよう、コース全体に水を撒き、余分な水分を吸収するシステムも導入している[1]シェルが開発したアスファルト路面によりグリップ力が高まり、水はけが良くなった[1]。また、サーキットには80席のスタンドが用意されているほか、各種設備の揃ったガレージ・スペースも確保されており、悪天候の際にもスムーズに作業が進められるようになっている[1]

コース中心部にある建物には創業者エンツォ・フェラーリの執務室があり、「エンツォの家」と呼ばれる。エンツォ没後もオフィスは保存されているが、オーナー向けの宿泊施設として利用されている。さらに後年には隣接してドライバーの更衣所やトレーニングルーム、セミナールームなどからなる建物も設けられた。

サーキットの隣接地には、本社から分離したレース部門(スクーデリア・フェラーリ)のファクトリーがあり、F1マシンのシェイクダウンがそのまま行えるようになっている。2002年には物流部門を増設し、F1マシンの輸送の準備やトランスポーターの管理を行っている[1]

コースレイアウト

F1が開催されるさまざまなコースを再現できるようデザインされており、サーキットとしては珍しい立体交差になっている。コース幅は8.4メートル[3]。コーナーの種類は多様で、370Rから13.71Rまである[3]。コーナー名は特に決められていない。F1マシンにおけるアベレージスピードは160km/h以上、トップスピードは290 km/h[3]。タイヤ開発用の特別なコースも設置している。

当初のサーキットの全長は2,948.50m[1]。1992年にはストレートにシケインが増設され、シケインを使用する場合は3,021メートルとなった[3]1996年にはコースの一部が変更され、シケインなしで2,976.41m[1]、シケインありで2,997mとなった。

ラップレコード一覧

車種 タイム ドライバー 日付 備考
F1マシン
F2004 0'55.999 ミハエル・シューマッハ 2004
F2003-GA 0'56.33 ミハエル・シューマッハ 2003
SF-24 0'56.81 シャルル・ルクレール 2024
SF71H 0'56.99 アントニオ・ジョビナッツィ 2018
248F1 0'57.099 フェリペ・マッサ 2006
F2005 0'57.146 ミハエル・シューマッハ 2005
F2002 0'57.476 ミハエル・シューマッハ 2002
SF70H 0'58.00 キミ・ライコネン 2017
F2007 0'58.366 フェリペ・マッサ 2007
F310B 0'59.00 ミハエル・シューマッハ 1997
F2008 0'59.111 ミルコ・ボルトロッティ 2008
SF15-T 0'59.300 セバスチャン・ベッテル 2016
F399 1'00.226 ルカ・バドエル 1999
412T1 1'00.31 ジャン・アレジ 1994
レーシングカー
333SP 1'11.90 スリックタイヤでのタイム
333SP 1'13.00 スリックタイヤ、リストリクター装着でのタイム
Ferrari Monza 1'14.41 Walter Schäfer 4 June 1997 フェラーリ50周年記念式典でのタイム [1]
360GT 1'15.00
360N-GT 1'15.90 Ian Harold Brown 2003
FXX 1'16.00 アンドレア・ベルトリーニ 2007
458チャレンジ 1'16.50 2010
360チャレンジ 1'20.40 2003
Maserati Trofeo 1'21.1
355チャレンジ 1'25.40 rear wing
348チャレンジ 1'33.00
ロードカー
ラ フェラーリ 1'19.9 2013
F12ベルリネッタ 1'23.0 2012
458スペチアーレ 1'23.05 2013
599GTO 1'24.0 2010
エンツォフェラーリ 1'24.9 2002
458イタリア 1'25.0 2010
430スクーデリア 1'25.1
マセラティMC12 1'25.2
458スパイダー 1'25.5 2011
599GTBフィオラノ 1'26.5 2006
360チャレンジストラダーレ 1'26.5 2003
430スクーデリアスパイダー16M 1'26.5 2009
F50 1'27.00
F430 1'27.00 Autobild 2007
F40 1'29.60
360モデナ 1'31.00
550マラネロ 1'32.528
F355F1 1'33.00 1997
F355 1'34.00 1994
F512M 1'35.00 1995
512TR 1'35.00 1992
456GT 1'35.00
マセラティ4200GT 1'35.00
288GTO 1'36.00
テスタロッサ 1'36.00 1984
348TB 1'37.00 1989
328GTB 1'44.00

フィオラノサーキットが登場するゲーム

Simulation / Video Game Fiorano
Ferrari Virtual Academy 2010
Ferrari Challenge: Trofeo Pirelli 2008
Ferrari GT: Evolution 2008 [4]
rFactor 2005
F1 Challenge 99-02 2003 [5]
Ferrari F355 Challenge 1999
Ferrari Formula One 1988 [6]

脚注

  1. ^ a b c d e f g GESレーシング部門”. Ferrari.com. 2011年12月20日閲覧。
  2. ^ ピーライ (2007年7月31日). “【マラネロ・フォー! 2】マラネロとフィオラノ。”. フロムROSSOエディターズ. http://www.hobidas.com/blog/rosso/editors/archives/2007/07/post_1080.html 2011年12月20日閲覧。 
  3. ^ a b c d Circuito di Fiorano” (イタリア語). Comune di Fiorano Modenese. 2012年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月20日閲覧。
  4. ^ http://www.gameloft.com
  5. ^ http://www.electronic-arts.de
  6. ^ http://www.mobygames.com/game/ferrari-formula-one

関連項目

外部リンク

座標: 北緯44度32分6秒 東経10度51分26秒 / 北緯44.53500度 東経10.85722度 / 44.53500; 10.85722


フィオラノ・サーキット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/29 14:05 UTC 版)

フィオラーノ・モデネーゼ」の記事における「フィオラノ・サーキット」の解説

町域東端にフィオラノサーキット(ピスタ・ディ・フィオラノ)がある。このサーキットフェラーリ社のテストコースとして1972年完成したフェラーリ本社工場マラネッロ町域西端近くにあるため、両者はほぼ隣接した位置関係にある。

※この「フィオラノ・サーキット」の解説は、「フィオラーノ・モデネーゼ」の解説の一部です。
「フィオラノ・サーキット」を含む「フィオラーノ・モデネーゼ」の記事については、「フィオラーノ・モデネーゼ」の概要を参照ください。

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