ファントホッフ解析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 01:41 UTC 版)
「ファントホッフの式」の記事における「ファントホッフ解析」の解説
生物学研究において、ファントホッフ・プロットはファントホッフ解析とも呼ばれる。これは、反応において有利な生成物を決定するのに最も効果的である。 In biological research, the van't Hoff plot is also called van't Hoff analysis. It is most effective in determining the favored product in a reaction. ある反応で2つの生成物bとcが形成されるとする。 a A + d D → b B, a A + d D → c C この場合、Keqは平衡定数ではなく、BとCの比として定義することができる。 とするとB/C > 1の場合、Bが有利な生成物であり、ファントホッフ・プロットのデータは正の領域に存在する。 B/C < 1の場合、Cが有利な生成物であり、ファントホッフ・プロットのデータは負の領域に存在する。 この情報を使用して、ファントホッフ解析は、有利な生成物に最適な温度を決定するのに役立つ。 2010年には、水がアミノ酸プロリンのC末端とN末端のどちらと優先的に水素結合を形成するかを決定するためにファントホッフ・プロットが使われた。様々な温度で各反応の平衡定数を求め、ファントホッフ・プロットを作成した。この解析により、エンタルピー的には水はC末端との水素結合を好むが、エントロピー的にはN末端との水素結合を好むことが示された。具体的には、C末端の水素結合が4.2–6.4 kJ/mol有利であることがわかった。N末端の水素結合は31–43 J/(K mol) 有利であった。 このデータだけでは、水がどの部位に優先的に水素結合するかを結論づけることができなかったため、追加の実験が行われた。その結果、低温では、エンタルピー的に有利な化学種であるC末端に水素結合した水が好まれることがわかった。より高い温度では、エントロピー的に好まれる種であるN末端に水素結合した水が好まれることがわかった。
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