バリテリウムとは? わかりやすく解説

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バリテリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/15 10:10 UTC 版)

バリテリウム
バリテリウム
地質時代
古第三紀始新世 - 漸新世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
上目 : アフリカ獣上目 Afrotheria
階級なし : 近蹄類 Paenungulata
: 長鼻目 Proboscidea
階級なし : † 近長鼻型類 Plesielephantiformes
: †バリテリウム科 Barytheriidae
: バリテリウム Barytherium
学名
Barytherium
C.W. Andrews, 1901

B. grave Andrews, 1901

バリテリウム学名Barytherium ) とは、ゾウ目(長鼻目)の絶滅した属である。学名は、「重い」(Bary) と「獣」(therium) を意味する[1]

生息時代・生息域

バリテリウムは始新世後期から漸新世初期に北アフリカで生息してしていた。モエリテリウムヌミドテリウム科などと同様に、古第三紀に広がった原始的なゾウ目の仲間である[2]

漸新世の初めの大規模な氷期に伴う南極氷床の発達により、アフリカ大陸沿岸部も海退に見舞われる。半水棲であったバリテリウムはこれにより生息地を失ったと考えられており、まだアフリカから他大陸へと進出する前に絶滅している[1]

形態

バリテリウムは「重い獣」という名前の通り身体が大きいのが特徴で、肩高は約 1.8 ~ 2.0 メートル、重さは約 2 トンとされる[3]。これは現生のカバよりも大きな体格である。

ゾウの牙は切歯が発達したものであるが、バリテリウムは切歯が上下それぞれに4本ずつあり、計8本の短い牙が生えている。
特に上顎の第二切歯(I2)が垂直方向に長く伸びているのが特徴で、歯根部を含めて 30 センチメートル近くある。これは植物摂食のみならず、捕食からの防御や種属間の競争にも使われたと推察できる[1]
また、下顎の切歯は水平方向に伸びており、第一切歯(i1)が長いのが特徴である。下方向に伸びる上顎の切歯と組み合わせて、作物に剪断作用が生じたとされる[4]
バリテリウムの頭骨
  • 頭部
眼窩の位置は小臼歯よりも前に位置し、後述する水棲適応の影響と考えられている[1][5]
鼻は化石に残らないため正確なところは分からないが、モエリテリウムのような原始的なゾウ目には長い鼻はなかったと考えられている[3]。しかしバリテリウムの鼻腔は原始的な長鼻目の中では比較的後ろに位置しており、現生ゾウのような長い鼻は持たないまでもバクゾウアザラシに似た口吻が復元されることがある。
バリテリウムの臼歯
  • 臼歯
バリテリウムの歯式は



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