バスク神話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/22 16:52 UTC 版)
バスク神話(バスク語: Euskal mitologia, スペイン語: Mitología vasca)は、スペインとフランスの2か国にまたがるバスク地方における神話。
内容
ゲルマン神話、ギリシア神話、カレワラ(フィンランド神話)、日本神話のような創造神話はバスク神話には存在しない。バスク神話の神や精は、馬、雄牛(Aatxe, Aatxegorri)、イノシシ、雄ヤギ(Akerbeltz)、雄ヘビ、ハゲタカなどの姿で現れる。古代にはケルト人がバスク地方に自然信仰を持ちこんでおり、太陽(Ekhi)・月(Ilazki, Illargi, Iretargi, Irargi)・大地(Lur)・天空(Ortzi, Urtzi, Ostri, Ostiri)などについての神話も存在する。マリという女神が最高神であり、雨天や豊作をもたらしたり、旅人を導いたりする。ラミア(Lamia)という女性は魔女(Sorgin)または子どもの血を吸う鬼として現れる。シュガール(Sugaar)という男性神は雷神であり、雄蛇の化身である。エレンスゲ(Herensuge)と呼ばれる竜伝承なども知られている。
研究史
スペインの考古学者・民俗学者であるホセ・ミゲル・デ・バランディアランは1960年に『バスク神話』(Mitología vasca)を著している。ハンス=ヴィルヘルム・ハウシヒ(Hans-Wilhelm Haussig)が1973年に編集した『古代ヨーロッパにおける神々と神話』(Götter und Mythen im Alten Europa)の中でも、バランディアランがバスク神話について1章を割いている。1972年にはバスク大百科事典(La Gran Enciclopedia Vasca)の第7巻として『バスク神話絵入り辞典』(Diccionario ilustrado de mitología vasca)が刊行され、同年バランディアラン全集の刊行が開始され、第1巻は前述の絵入り辞典となっている[1]。
脚注
- ^ “Bibliografía, De 1967 a 1982” (スペイン語). Jose Miguel de Barandiaran Fundazioa. 2015年2月20日閲覧。
参考文献
- 下宮忠雄『バスク語入門』パチ・アルトゥナ監修、大修館書店、1979年「神話・伝説」pp.67-82
- 竹原威滋・丸山顕徳編『世界の龍の話』(世界民間文芸叢書)三弥井書店、1998年、pp.200-208
関連項目
バスク神話
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アンボトは常に魔女信仰やバスク神話と関係している。アンボトの山頂に近い洞窟はバスク神話の女神であるマリ(英語版)の主要な住処であるとされ、マリは「アンボトのマリ」とも呼ばれる。バスク地方の言い伝えでは、天気のいい日には洞窟の入口でマリを見ることができ、彼女は日差しの中できれいなブロンドの髪に金色の櫛を入れているという。マリは大きな火の球で空を飛ぶことも珍しくないとされ、オイス山やアイスコリなどにも住処を持っているという。彼女が見かけられた場所は好天または悪天になるという。
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