バカンティ版STAPプロトコルの問題
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「チャールズ・バカンティ」の記事における「バカンティ版STAPプロトコルの問題」の解説
2014年3月20日、バカンティは酸刺激前に物理的な刺激を加えるという独自プロトコルを発表した。 (PDF) Refined protocol for generating STAP cells from mature somatic cells, (2014-03-20), https://research.bwhanesthesia.org/site_assets/51520d191eea6679ce000001/cterm/Refined_STAP_protocol-9a685fc86fec5ca857ad58ae75462d07.pdf 2014年3月24日閲覧。 (英語) さらに同年4月2日には、バカンティは「論文を撤回する必要は無い。私のプロトコルで香港中文大学の研究者は新しい結果を示した。有望である」と再度述べた。これは、李嘉豪(Kenneth Ka-ho Lee)教授がResearchGateに公表した実験結果を指すものと思われる。しかし、同実験結果では、この新プロトコルは何も操作をしない場合とほぼ同程度の多能性マーカーの発現を示したにすぎない。つまり、新プロトコルはうまくいかない、という結果である。同教授が驚きを表明したのは、比較のために行った物理的刺激のみの方法が比較的良好な結果を示したからである。しかし、これもES細胞などに比べると多能性マーカーの発現は1/10以下で、到底多能性の証拠とは言えない。最終的に香港中文大学の李嘉豪(Kenneth Ka-ho Lee)教授は一連の実験を論文にまとめて発表し。STAP細胞の検証実験を終了することにした。またマサチューセッツ工科大学のRudolf Jaenisch教授は「理研のプロトコルもバカンティの新しいプロトコルも成功しなかった」と米国ボストン・グローブ誌の取材に答えている。結局、バカンティ自らがハーバード内の研究者に作成法を指導しながらも、誰も再現に成功しなかった。
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