ハックショウの指摘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 06:48 UTC 版)
「エンストローム論文」の記事における「ハックショウの指摘」の解説
ロンドン大学のアラン・ハックショウ (Allan Hackshaw) は国際がん研究機関 (IARC) の、受動喫煙についてのワーキンググループの代表である。 エンストロームの研究は、僅か177の症例しか扱っておらず、これまでの受動喫煙についての研究全体(46研究、6257症例)のメタアナリシスに組み込んでも、1.24倍のリスク比(95%信頼区間は1.14から1.34)が、1.23倍となるだけで、従来の受動喫煙に関する研究から得られた結論にはほとんど影響しない。 また、エンストロームが扱ったカリフォルニアのデータでは、「1959年の時点での喫煙男性の配偶者(非喫煙)」を「喫煙男性の配偶者(非喫煙)」と捉えているため、研究終了した1998年までの間に「禁煙した男性の配偶者(非喫煙)」も「喫煙男性の配偶者(非喫煙)」に含まれてしまう。結果的に「非喫煙男性の配偶者(非喫煙)の集団」と「喫煙男性の配偶者と、禁煙した男性の配偶者(非喫煙)の集団」を比較していることから、「喫煙男性の配偶者(非喫煙)の集団」と「喫煙男性の配偶者(非喫煙)の集団」を比較するよりも、両者の間の肺がんの発生率の差が過小となり、受動喫煙と肺がんとの関係を覆い隠してしまっているものと考えられる。1959年から1998年までの間に喫煙者率は69%から28%まで低下している。
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