ナミュール伯とは? わかりやすく解説

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ナミュール伯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/06 13:18 UTC 版)

ナミュール伯の紋章

ナミュール伯フランス語:Comté de Namur, ワロン語:Conteye di Nameur, オランダ語:Graafschap Namen)は、フランク王国、後に神聖ローマ帝国の領主。その領地はサンブル川およびマース川の合流点に位置し、現在のベルギーナミュール区およびディナン区北西部に当たる。西にエノー伯領、北にブラバント公領、南および東にリエージュ司教領、南東にルクセンブルク伯領があった。

歴史

1400年頃のナミュール伯領(緑色の領域)
ナミュールの冠

ナミュール伯領は10世紀にナミュールの城および街を中心として形成された。その発展は長い間、周囲のエノー伯領、ブラバント公領およびリエージュ司教領により阻まれていた。しかし、三代にわたる婚姻政策により、1150年にアンリ1世(ルクセンブルク伯ハインリヒ4世)は、ナミュール、ラ・ロッシュ英語版デュルビュイロンウィルクセンブルクの支配権、およびスタヴロ修道院、トリーアのザンクト・マクシミン修道院、エヒタナハ修道院のフォークトの領地を手に入れた。

しかし、アンリ1世の死後、領地は分割され、伯領はもとの地域に再び限定された。アンリは男子継承者を残さず死去し、ナミュール伯領は1191年にフランドル伯家のものとなった。1217年、ナミュールはカペー家の分家であるクルトネー家に相続された。その後、ダンピエール家が相続していたフランドル伯家のものに再びなったが、同家の最後の伯ジャン3世は後継者がなく、1421年4月23日に伯領の継承権をブルゴーニュ公フィリップ3世に売却した。

1429年3月1日、ジャン3世が死去し、ナミュールはブルゴーニュ公家に継承され、1477年のシャルルの死後はハプスブルク家に継承された。ハプスブルク領ネーデルラントはカール5世によりブルグント・クライスとされ、1548年、最終的にネーデルラント17州として承認された。

歴代ナミュール領主

ナミュール家

  • ベランジェフランス語版(924年以降没) - ロム伯
  • ロベール1世英語版(981年頃没) - ナミュール城建設
  • アルベール1世英語版(1011年以前没) - 992年にナミュール伯
  • ロベール2世英語版(1031年以前没) - アルベール1世の子
  • アルベール2世英語版(1063/4年没) - ロベール2世の弟
  • アルベール3世(1102年没) - アルベール2世の子
  • ジョフロワ(1139年没) - アルベール3世の子
  • アンリ1世(1196年没) - ルクセンブルク伯(1136年 - 1196年)、ナミュール伯(1139年 - 1189年)

フランドル家

括弧内はナミュール侯の在位期間。

クルトネー家

  • フィリップ2世(1216年 - 1226年) - ヨランドとピエール2世の子
  • アンリ2世(1226年 - 1229年) - フィリップ2世の弟
  • マルグリット(1229年 - 1237年) - アンリ2世の姉、ヴィアンデン伯ハインリヒ1世と結婚
  • ボードゥアン2世(1237年 - 1259年) - ラテン皇帝(1228年 - 1261年)、マルグリットの弟

1263年に権利をフランドル伯に売却。

リンブルフ=アルロン家

ダンピエール家

  • ギー1世(1265年 - 1297年) - アンリ3世の女婿、1263年にナミュールを購入
  • ジャン1世(1297年 - 1331年) - ギーの子
  • ジャン2世(1331年 - 1335年) - ジャン1世の子
  • ギー2世(1335年 - 1336年) - ジャン2世の弟
  • フィリップ3世(1336年 - 1337年) - ギー2世の弟
  • ギヨーム1世(1337年 - 1391年) - フィリップ3世の弟
  • ギヨーム2世(1391年 - 1418年) - ギヨーム1世の子
  • ジャン3世(1418年 - 1429年) - ギヨーム2世の弟

1421年、ジャン3世は伯領の継承権をブルゴーニュ公フィリップ3世に売却し、1429年のジャン3世の死により、ナミュール伯領はブルゴーニュ公家のものとなった。

1477年、ナミュールはブルゴーニュとともにハプスブルク家に継承された。

参考文献

  • Léon Vanderkindere: La formation territoriale des principautés belges, 2 Bände, Brüssel 1909
  • Rousseau (Hg.): Actes des comtes de Namur, 1936f.
  • E. Brouette: Introduction aux études historiques, archéologiques et folkloriques du Namurois, Manur 1947
  • J. Balon: La maison de Namur sur la scène de la grand histoire, Namur 1950
  • Genicot: Le Namurois politique, 1964
  • Hermann Grote: Stammtafeln, Leipzig 1877

関連項目




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