ナチュラルウーマン (2017年の映画)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ナチュラルウーマン (2017年の映画)の意味・解説 

ナチュラルウーマン (2017年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/30 22:41 UTC 版)

ナチュラルウーマン
Una mujer fantástica
監督 セバスティアン・レリオ
脚本
  • セバスティアン・レリオ
  • ゴンサロ・マサ
製作
  • フアン・デ・ディオス・ラライン
  • パブロ・ラライン
  • セバスティアン・レリオ
  • ゴンサロ・マサ
製作総指揮
  • マリアンヌ・アルタール
  • ロシオ・ハドゥエ
  • ジョナサン・キング
  • ジェフ・スコール
  • Ben von Dobeneck
出演者 ダニエラ・ベガ
フランシスコ・レジェス英語版
音楽 マシュー・ハーバート
撮影 ベンジャミン・エチャザーレータ
編集 ソルダッド・サルファテ
製作会社
  • Fabula
  • Komplizen Film
配給 ソニー・ピクチャーズ クラシックス[1]
アルバトロス・フィルム
公開 2017年2月12日 (BIFF
2017年4月6日
2017年10月20日
2018年2月2日
2018年2月24日
上映時間 104分
製作国  チリ
ドイツ
スペイン
アメリカ合衆国
言語 スペイン語
興行収入 $770,144[2][3]
テンプレートを表示

ナチュラルウーマン』(Una mujer fantástica)は、セバスティアン・レリオ監督による2017年チリドイツスペインアメリカドラマ映画である[4]第67回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映され、金熊賞を争った[5]第90回アカデミー賞外国語映画賞にチリ代表作として出品され[6]、同国代表作として史上初めて受賞を果たした[7]

物語

ベルリン国際映画祭でのラライン、ベガ、レリオ、レジェス

チリサンティアゴトランスジェンダーの歌姫マリーナは、勤め先のナイトクラブで恋人オルランドに誕生日を祝ってもらった。オルランドは初老で妻子をもつ男だが、今は何をおいてもマリーナに愛情を注いでくれるパートナーであり、彼女も満ち足りた毎日を送っていた。だが、ある日愛し合ったベッドで彼は体の不調を訴え、身を乗り出した階段から転げ落ちてしまった。マリーナは急ぎオルランドを病院に連れてゆくが、そのまま彼は息を引き取る。全身の打ち身のこともあり、殺害の可能性も無視できないと警察はマリーナに尋問を行うが、駆け付けたオルランドの弟ガボに行動をねぎらわれて彼女はひとまず帰宅した。

翌朝、バイト先のレストランに訪ねてきた訳知り顔の女性刑事は、まるでオルランドの死因は彼の性的暴行に対するマリーナの抵抗の結果、とも言いたげに話を進めた。同僚のはからいでその場を逃れたマリーナが自宅アパートに戻ると、オルランドの息子ブルーノが勝手に上がっており、彼女にアパートからの転居を罵詈雑言を交え求めた。さらにオルランド夫人のソニアは夫の車の返還を求め、彼女のオフィスに車を停めたマリーナに葬式への不参加を求めた。すべては、マリーナの元男性であった過去をめぐる人々の偏見に満ちた妄想の結果であった。

マリーナは行動を封じられた鬱屈のなか、歌の師匠に教えを求めに向かう。そこで困惑する彼女に与えられた言葉は、「愛を求めるな、与えるのだ」だった。力を与えられたと感じたマリーナは、彼女の全裸写真撮影を強要する女刑事、集団で取り囲み彼女をビニールテープで巻きあげて嗤うオルランドの息子たちに一瞥もくれず自分のすべきことを為す。オルランドの葬儀場が、彼が入っていたサウナと地つなぎであると知ることでその建物の奥に進み、焼かれる前の恋人の体への対面を果たしたマリーナは彼に別れを告げる。迷いを振り切った彼女は、堂々と夜のステージに立ち、楽曲「オンブラ・マイ・フ」を歌い上げるのだった。

キャスト

  • マリーナ: ダニエラ・ベガ
  • オルランド: フランシスコ・レジェス英語版
  • ガボ: ルイス・ニェッコ英語版
  • ソニア: アリン・クーペンヘイム英語版
  • アドリアーナ: アンパロ・ノゲラ英語版
  • ブルーノ: ニコラ・サアベドラ
  • アレクサンドラ: アントニア・セヘルス英語版
  • ワンダ: トリニダード・ゴンザレス
  • ガストン: ネストル・カンティリャナ英語版

公開

プレミア上映は2017年2月12日に第67回ベルリン国際映画祭で行われ、銀熊賞(脚本賞)とLGBT映画に対するテディ賞を獲得した。それから2日後、ソニー・ピクチャーズ クラシックスが配給権を獲得した[1].。

評価

批評家には概ね好評であり、Rotten Tomatoesでは28件のレビューで支持率は93%、平均点は8.2/10となった[8]。またMetacriticでは8件のレビューに基づいて加重平均値が96/100と示されている[9]

受賞とノミネート

授賞式 部門 対象 結果 参照
アカデミー賞 2018年3月4日 外国語映画賞 『ナチュラルウーマン』(チリ代表) 受賞 [7]
ベルリン国際映画祭 2017年2月18日 テディ賞長編映画賞 セバスティアン・レリオ 受賞 [10]
銀熊賞 (脚本賞) セバスティアン・レリオ、ゴンサロ・マサ 受賞 [11]
金熊賞 セバスティアン・レリオ ノミネート
カブール映画祭英語版 2017年6月18日 審査員賞 セバスティアン・レリオ 受賞 [12]

参考文献

  1. ^ a b Hipes, Patrick (2017年2月9日). “Sony Classics Picks Up Berlin Competition Pic ‘A Fantastic Woman’”. Deadline.com. 2017年2月10日閲覧。
  2. ^ Una Mujer Fantástica (A Fantastic Woman)”. Box Office Mojo. 2017年9月15日閲覧。
  3. ^ Una Mujer Fantástica”. The Numbers. 2017年10月8日閲覧。
  4. ^ 'A Fantastic Woman' wraps shoot”. SceenDaily. 2016年12月15日閲覧。
  5. ^ Aki Kaurismäki, Oren Moverman, Agnieszka Holland, Andres Veiel, and Sally Potter – First Films for the Competition of the Berlinale 2017”. Berlinale (2016年12月15日). 2016年12月15日閲覧。
  6. ^ Los latinos al Óscar 2018: Chile”. Premios Óscar Latinos (2017年9月11日). 2017年9月11日閲覧。
  7. ^ a b THE 90TH ACADEMY AWARDS”. oscars.org. 2017年3月8日閲覧。
  8. ^ A Fantastic Woman (Una mujer fantástica) (2017) - Rotten Tomatoes”. Fandango. 2017年2月18日閲覧。
  9. ^ Metacritic - A Fantastic Woman”. CBS Interactive. 2017年2月18日閲覧。
  10. ^ TEDDY AWARD Winners 2017” (2017年2月17日). 2017年2月18日閲覧。
  11. ^ Prizes of the International Jury”. Berlinale (2017年2月18日). 2017年11月11日閲覧。
  12. ^ Fair, Vanity. “Le Festival du Film de Cabourg 2017 a distingué ses lauréats”. 2017年6月22日閲覧。

関連項目

外部リンク



このページでは「ウィキペディア」からナチュラルウーマン (2017年の映画)を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からナチュラルウーマン (2017年の映画)を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からナチュラルウーマン (2017年の映画) を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ナチュラルウーマン (2017年の映画)」の関連用語

ナチュラルウーマン (2017年の映画)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ナチュラルウーマン (2017年の映画)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのナチュラルウーマン (2017年の映画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS