ディオゲネス・ラエルティオスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ディオゲネス・ラエルティオスの意味・解説 

ディオゲネス・ラエルティオス

(ディオゲネス・ラエルティウス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/23 07:06 UTC 版)

ディオゲネス・ラエルティオス

ディオゲネス・ラエルティオス: Διογένης Λαέρτιος: Diogenes Laërtius)は、3世紀前半頃に活躍した哲学史家。『ギリシア哲学者列伝』の著者として知られる。

ラエルティオス・ディオゲネス[1]ディオゲネース・ラーエルティオス[2]などとも呼ばれる。

人物

その名前は古来からいろいろな表記がされていて確かなことが分からない。「ラエルティオス」というのは(Signum)であるという説もあれば、キリキアのラエルテという地名であるという説もある[3]

その著書『ギリシア哲学者列伝』(: Βίοι καὶ γνῶμαι τῶν ἐν φιλοσοφίᾳ εὐδοκιμησάντων)10巻は多くの逸話と哲学者たちの諸説をあわせて記述した古代ギリシア・ローマ哲学についての貴重な資料である。史料の抜き書きを行い学説よりも面白おかしい逸話や奇矯な言行への好みがあらわれた「列伝」の性格から著者の面影を察することができる。一説には、同書の献呈相手は皇后ユリア・ドムナとされる[4]

文献学者だった頃のニーチェは彼を研究している[5]。ニーチェは「ラエルティオスは自殺と暴飲に非常な憎悪を抱き、無神論者を非難し霊魂不滅を信じている」と評している[6]。古典学者パトリッティは「ディオゲネス・ラエルティオスがいかなる人物で、いかなる時代に、またいかなる境遇のもとに生きたかは誰にも知られていないが、彼はこれによって哲学者たちの偉大さを明らかにしたのでもなく、後世に彼らの学説を伝えたのでもなく、むしろその書物を美しく飾ろうとして、その伝記の中に自作のエピグラムや碑銘文を挿入したのである」という[要出典]

伝記を多く書いた英文学研究者の中野好夫はラエルティオスの選んだ逸話の無類さをほめている[7]

脚注

出典

  1. ^ 加来 1994, p. 355.
  2. ^ 国立国会図書館書誌ID:5212210
  3. ^ 加来 1994, p. 356.
  4. ^ 加来 1994, p. 357f.
  5. ^ 加来 1994, p. 369.
  6. ^ ニーチェ 1963, p. 231.
  7. ^ 講演録『伝記文学の面白さ』より、岩波同時代ライブラリー、1995年[要ページ番号]

参考文献

関連文献

  • ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝〈上〉』 青 663-1、加来彰俊 訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1984年。doi:10.11501/12215797ISBN 978-4-0033-6631-8 
  • ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝〈中〉』 青 663-2、加来彰俊 訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1989年。doi:10.11501/12215422ISBN 978-4-0033-6632-5 

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ディオゲネス・ラエルティオス」の関連用語

ディオゲネス・ラエルティオスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ディオゲネス・ラエルティオスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのディオゲネス・ラエルティオス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS