テ・デウム (フルトヴェングラー)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > テ・デウム (フルトヴェングラー)の意味・解説 

テ・デウム (フルトヴェングラー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/04 13:32 UTC 版)

テ・デウム イ長調は、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーによって作曲された青年期の傑作である。この合唱、4人のソリストとオーケストラの為の作品は、キリスト教の賛歌の一つであるテ・デウムのテキストを用いている。

作曲の経緯と初演

 1910年に完成され、すぐに作曲者自身の指揮により初演された。日本初演は2004年11月28日、アミューたちかわ大ホールにおいて、野口剛夫指揮、東京フルトヴェングラー研究会管弦楽団、フルトヴェングラー没後50周年記念合唱団により行われた。2020年には、東京フルトヴェングラー研究会創立25周年記念演奏会(11月29日 小松川さくらホール)で、野口剛夫の翻訳による日本語テキストにて再演された。

作品の内容

オーケストラによって華々しく開始される。すぐに合唱が加わって来て、堂々と「天主よ、我ら御身を讃え」と歌う。しばらく合唱主体で流れ行くが、静かに歌いおさめ、弦楽器の先導でテノール・ソロが「なべてのみ使いら…」と穏やかに歌う。弦楽器クラリネットによるフレーズを挟み、今度はソプラノ・ソロが歌う。次第に合唱が加わり、堂々と歌い上げ、盛り上がってゆくと、ややテンポを早めて男声と女声が「聖なるかな、聖なるかな…」と歌いかわし、最初の頂点を作る。ややテンポを落として男声が「誉れに輝く使徒の群れ…」と歌い始め、女声も加わって盛り上がる。次第にテンポを速めつつ転調してゆく。そして、「御身、栄えの大君なるキリストよ…」堂々と歌いおさめると、速度を落とし、合唱は静かに「世を救う為に人ならんとて…」と歌い始める。圧倒的な盛り上がりを見せる。次第に音量を落とし、「願わくば、尊き御血もてあがないたまいし…」と歌い、陰鬱な響きとなる。ゆっくりとした、鎮魂歌のような音楽。再び合唱は力を増し、オーケストラは3連符主体の行進曲を導き出す。シンバルがリズミカルに打たれる中、合唱は「主よ、御身の民を救い…」と高らかに歌い始める。つづいて、「我ら、日々、御身に感謝し…」と静かに歌い、金管コラールが響く。暗い響きとなる。一つ頂点を作り、静かにフルートが消えてゆくと、ソプラノ・ソロが「主よ、われ御身に依り頼みたり」と歌い始め、4人のソリストの重唱となる。合唱が加わり、高らかに歌い上げ、ソリストと合唱が歌いかわし、頂点でテンポを速め、金管群の先導で「我が望みはとこしえにむなしからまじ…」と4人のソリストが歌い始め、合唱も唱和し、圧倒的クライマックスを迎え、イ長調主和音を打ち鳴らして終結する。演奏時間約33分。

録音

複数の録音が存在する。

  • アルフレート・ヴァルター指揮、フランクフルト・アム・デル・オーデル・フィル、フランクフルト・アム・デル・オーデル・ジングアカデミー、ほか。Naxos 8.223456。
  • マルティン・フィッシャー=ディースカウ指揮、ベルリン放送交響楽団、ラトヴィア・アカデミー合唱団、ほか。IPPNW-40。なお、この録音においては、エリーザベト・フルトヴェングラー未亡人の了解のもと、指揮者の判断により2カ所を変更しているようである。
  • 野口剛夫指揮、東京フルトヴェングラー研究会管弦楽団、フルトヴェングラー没後50年記念合唱団、ほか。Seelenklang:FIT-1(CD Oto to Kotoba Edition)。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「テ・デウム (フルトヴェングラー)」の関連用語

テ・デウム (フルトヴェングラー)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



テ・デウム (フルトヴェングラー)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのテ・デウム (フルトヴェングラー) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS