チェーホフの銃
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チェーホフの銃(チェーホフのじゅう、英語: Chekhov's gun)とは、小説や劇作におけるテクニック・ルールの1つ。
注釈
- ^ 村上春樹の『1Q84 BOOK 2』ではヒロインの青豆に拳銃を持たせたタマルは「チェーホフがこう言っている【略】物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはいけない」「物語の中に、必然性がない小道具は持ち出すなということだよ」と説明する[1]。なお、村上は『BOOK 1』の天吾と編集者の小松とのやりとりの中で既にチェーホフの名前を出していて、これをムダにせず、この場面で再利用していることになる[2]。
- ^ 英字表記による出典は次の通り。Gurlyand (Gurliand), Ilia: Reminiscences of A. P. Chekhov, Teatr i iskusstvo 1904, No. 28, 11 July, p. 521.
ただし、別の典拠によると、1889年に当時24歳だったイリヤ・グリヤンドはチェーホフとの会話の中で次のように聞いたとされる。「もし、第1幕から壁に拳銃をかけておくのなら、最終幕にはそれが発砲されるべきである。」[3]
Ernest. J. Simmons は、チェーホフがこの点について後にも繰り返し述べていると指摘している(繰り返すうちに異同が生じることもあったと思われる)[4]。
出典
- ^ 村上春樹 『1Q84 BOOK 2』 2巻新潮社、2009年5月29日、[要ページ番号]頁。ISBN 978-4-10-353423-5。
- ^ 村上春樹 『1Q84 BOOK 1』 1巻新潮社、2009年5月29日、[要ページ番号]頁。ISBN 978-4-10-353422-8。
- ^ Donald Rayfield (March 1998) (英語). Anton Chekhov: A Life (Hardcover ed.). New York , USA: Henry Holt & Co. p. 203. ISBN 978-0-805-05747-8
- ^ Ernest Joseph Simmons (June 1970) (英語). Chekhov: A Biography (Paperback ed.). Chicago Illinois, USA: Chicago University Press. p. 190. ISBN 978-0-226-75805-3
- ^ Heath, Peter (May 1994). “Reviewed work(s): Story-Telling Techniques in the Arabian Nights by David Pinault”. International Journal of Middle East Studies (Cambridge University Press) 26 (2): 358-360 [359].
- ^ Pinault 1992, pp. 86–91.
- ^ Marzolph, Ulrich (September 2006) (英語). The Arabian Nights Reader (Illustrated ed.). Wayne State University Press. pp. 241-242. ISBN 978-0-814-33259-7
- ^ Pinault 1992, pp. 92–93.
- ^ Pinault 1992, pp. 93–94.
- 1 チェーホフの銃とは
- 2 チェーホフの銃の概要
- 3 参考文献
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