タントラ仏教

世界宗教用語大事典

タントラぶっきょう 【タントラ仏教】

梵語タントラ（tantra）は特羅とも音写し「糸」という意味がある。元来、ヒンドゥー教のある派の聖典をタントラと呼んだが、のちに密教の教典類をもいうようになった。これに基づく仏教をインドではタントラヤーナ（タントラ乗）といい、ヨーロッパ人がタントリズム（Tant-rism）と名づけた。ふつう八、九世紀以後の秘密化した密教で、性的要素の入ったものをいうが、広く秘密仏教一般をいう場合もある。日本では性的密教を左道密教とも呼ぶ。→ 密教