ジシアンジアミドとは? わかりやすく解説

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ジシアンジアミド

分子式C2H4N4
その他の名称シアノグアニジン、ジシアンジアミド、Dicyandiamide、N-Cyanoguanidine、Dicyanodiamide、ジシアノジアミン、Param、パラム、3-Cyanoguanidine、1-Cyanoguanidine、Cyanoguanidine、N''-Cyanoguanidine、Amidinocyanamide、(Diaminomethylene)cyanamide、(Amidinoamino) cyanide、(Cyanoimino)methanediamine、ジシアノジアミド、2-Cyanoguanidine、Dicyanodiamine
体系名:2-シアノグアニジン、3-シアノグアニジン、N-シアノグアニジン、1-シアノグアニジン、N''-シアノグアニジン、アミジノシアナミド、(ジアミノメチレン)シアナミド、(アミジノアミノ)シアニド、(シアノイミノ)メタンジアミン


ジシアンジアミド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/10 22:50 UTC 版)

ジシアンジアミド
Skeletal formulaπ
Ball-and-stick model
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.006.649
EC番号
  • 207-312-8
PubChem CID
RTECS number
  • ME9950000
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
C2H4N4
モル質量 84.08 g/mol
外観 白色の結晶
密度 1.400 g/cm3
融点 209.5 °C (409.1 °F; 482.6 K)
沸点 252 °C (486 °F; 525 K)
41.3 g/l
log POW −0.52
kH 2.25×10−10 atm·m3/mol
磁化率 −44.55×10−6 cm3/mol
危険性
GHS表示:
Warning
H302, H312, H332
P261, P264, P270, P271, P280, P301+P312, P302+P352, P304+P312, P304+P340, P312, P322, P330, P363, P501
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is  N ?)

ジシアンジアミド英語: dicyandiamide)は、グアニジンから誘導されるニトリルである。シアナミド二量体であり、これから合成することができる。無色の固体で、水、アセトンおよびアルコールに溶けるが、非極性有機溶媒には溶けない[1]。2-シアノグアニジン、DICY(ダイサイ)などとも呼ばれる。

合成と性質

石灰窒素を水と酸で反応させてシアナミド溶液にし、これを加熱重合させる。あるいは、反応を石灰窒素泥中で同時に行い熱水で抽出し結晶を得る。

グアニジンやメラミンなど様々な有機化合物はジシアンジアミドから合成されている。例えば、アセトグアナミン英語版ベンゾグアナミン英語版はシアノグアニジンとニトリルの縮合によって合成される[2][3]

(H2N)2C=NCN + RCN → (CNH2)2(CR)N3

シアノグアニジンは緩効性肥料としても使われる。かつて火薬の原料として使われていた。

エポキシ樹脂の硬化剤として使用されることがあるが、単独では硬化温度が180℃以上と高く、硬化時の発熱も大きいためイミダゾールアダクト等三級アミンを触媒として併用される。この場合シェルフライフが室温で3ヶ月以上となり一液性エポキシ(接着剤)として充分な保存条件を満たす。一般的にエポキシ樹脂100に対して約12が化学等量であるが反応後の三級アミンが触媒となり3~12の配合比率であっても実用上充分な機能を持つ。

化学

ニトリル基が結合する窒素原子のプロトン化により互変異性体を生じる。

酸塩基反応により双性イオンの形態で存在することもできる。

双性イオン型からアンモニア(NH3)が失われ、続いて残りの中心の窒素原子が脱プロトン化されると、ジシアナミドアニオン [N(CN)2] が得られる。

出典

  1. ^ Thomas Güthner; Bernd Mertschenk (2006). “Cyanamides”. Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. Weinheim: Wiley-VCH. doi:10.1002/14356007.a08_139.pub2. ISBN 3527306730.
  2. ^ H. Deim; G. Matthias; R. A. Wagner (2012). “Amino Resins”. Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. Weinheim: Wiley-VCH. doi:10.1002/14356007.a02_115.pub2. ISBN 978-3527306732.
  3. ^ J. K. Simons; M. R. Saxton (1953). “Benzoguanamine”. Organic Syntheses 33: 13. doi:10.15227/orgsyn.033.0013. 



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