シアターホール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 15:06 UTC 版)
シアターホール (Theater Hall)はドンガラ南の間からボアパッセージを抜け、EW90°のクラックに沿って上った先にある、長さ60 m、幅15 m、天井高25 mの西に向かって傾斜したホールである。シアターホールの名は斜面の落盤礫が劇場のように見えることから名付けられた。走向N70°-75°Wの垂直に近いWNW-ESE系の割目に沿って細長くのび、これに平行する割目に沿って壁面が形成されている。西に向かって傾斜した斜面の最低部では観光洞部からの声が聞こえるため、直下は大広間最奥部に当たると考えられている。N15°E, 80°E, N70°-75°W60°の割目系が見られ、これらの交叉部が崩落して形成されたと考えられている。天井部のN65°-70°Wの大きな割目は、破砕された角礫や水平な条線が刻まれた鏡肌が見られる横ずれ断層で、後者に沿って均等に天井が崩落するパターンが見られる。WNW-ESE系の割目には溶蝕形態があり、割目に沿ってフレアティック・パッセージを形成している部分もあるのに対し、N-S系の割目には溶蝕形態は少ない。 シアターホールから観光洞部にかけて、構造支配がWNW-ESE系からN-S系へと大きく変わるが、この形状は2つの割目系による流路争奪があったことを示唆するか、WNW-ESE系の割目に沿って西方から流れてきた地下水流がこの場所で合流したのだろうと考えられている。
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