シアグリウスとは? わかりやすく解説

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シアグリウス

名前 Syagrius

シアグリウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 21:02 UTC 版)

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クローヴィスのもとに送還されたシアグリウス

アフラニウス・シアグリウスラテン語: Afranius Syagrius430年[1][2] - 486[2][3]/487年[1][3])は、西ローマ帝国衰亡後のガリア北部に残ったローマ人支配地域・ソワソン管区ドゥクス(領主)。シャグリウスとも表記される[4]

生涯

ガリアにおける軍司令官(マギステル・ミリトゥム)であったアエギディウスの子[2]。アエギディウスは、西ローマ帝国が混乱してガリアに対する支配がゆるんだ時期に帝国の代官を追放して西ローマ帝国から独立し、ソワソン管区と呼ばれるソワソンを中心とした独自の支配地域を確立した[5][6]

465年に父アエギディウスが死ぬと、シアグリウスはソワソン管区の新たな支配者となった[2][7][* 1]。彼はゲルマン人からは「ローマ人たちの王(rex)」と呼ばれた。彼に対する記述からは、彼がローマ的というよりはゲルマン人と同じような形でソワソン管区を支配していたであろうと推測されている[2]

初めシアグリウスはフランク族の王キルデリク1世の庇護を得ていたが、キルデリク1世がイタリア領主オドアケルとの講和に応じると、西ゴート族の王エウリックを頼るようになった。

486年、シアグリウスはメロヴィング朝フランク王のクロヴィスソワソンの戦いで敗れ、トゥールーズにあった西ゴートアラリック2世の宮廷に逃れ庇護を求めたが、捕らえられてクロヴィスに引き渡された[2]。そして487年に密かに刺殺された[2][11]

脚注

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注釈

  1. ^ アンジェの年代記ドイツ語版』をもとにしたとされるトゥールのグレゴリウスの曖昧な記述に、469年頃と推測されるサクソン人との戦いで死亡したと思われるアンジェパウルスフランス語版なる人物が登場する[8][9]。この曖昧な記述には様々な解釈が存在し[9]、その中にはアエギディウスの死後にパウルスがソアソン王国を継承したと解釈する説もある[10]。ただし、グレゴリウスの曖昧な記述から当時の状況を再現することは極めて困難であり、出来事の詳細については定説と呼べるほどのものはない[9]

出典

  1. ^ a b [シアグリウス]『ブリタニカ国際大百科事典』
  2. ^ a b c d e f g [シアグリウス]『西洋中世史事典
  3. ^ a b [シアグリウス]『世界大百科事典』
  4. ^ 柴田 他、p. 137
  5. ^ エドワード・ギボンローマ帝国衰亡史』5巻、岩波書店、村山勇三(訳)、1954年、p.340。
  6. ^ 『アシェット版 図説ヨーロッパ歴史百科 系譜から見たヨーロッパ文明の歴史』原書房、p.100
  7. ^ [シアグリウス]『日本大百科全書』
  8. ^ Michel Rouche (1996). Clovis. Fayard. ISBN 9782213596327 
  9. ^ a b c 加納修「西ヨーロッパ世界の再編」『378年 失われた古代帝国の秩序』南川高志、山川出版社、2018年、75-77頁。ISBN 9784634445024
  10. ^ 五十嵐修「征服と改宗-クローヴィスと初期フランク王権-」『古代王権の誕生IV ヨーロッパ編』初期王権研究委員会、角川書店、2003年、322頁。ISBN 9784045230042
  11. ^ トゥールのグレゴリウスによる。

参考文献

  • ヘンリー・R.ロイン『西洋中世史事典』東洋書林、2016年。ISBN 4887211759
  • トマス・クローウェル『図説 蛮族の歴史 〜世界史を変えた侵略者たち』蔵持不三也訳、原書房、2009年。ISBN 978-4562042975
  • 柴田三千雄 他 『世界歴史大系 フランス史 1』 山川出版社、1995年


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