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ザ・ロード (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/23 14:28 UTC 版)

ザ・ロード』(: The Road)は、アメリカ合衆国の作家コーマック・マッカーシー2006年に発表した、ピューリッツァー賞を受賞した終末もの小説である。2009年には映画版が公開された。

概要

詳細不明の災いに見舞われた世界で、名前のない父と息子は道を南進する。舞台は南西アパラチア山脈。災いから約10年間がすぎ、ほとんどの動植物種は絶滅し、文明は消滅し、灰色の厚い雲と気候変動のために植物は生えない。生き残る人類の大部分は人食い部族として存続している。

父子は、飢餓凍死の危機をはじめさまざまな恐怖を経験しながら、倫理や理想を捨てずに進み続けようとする。神は死んだという着想の言及は多いが[1]、父は道徳と信仰を捨てない。彼の考えでは、自分の息子は神聖なる受肉であって、生命に意味を与える存在である[2]

結末で父は荒野に病死し、息子には生き続けるようにうながす。「あなたは火を持って行けなければならない。」[3]数日後、息子はある夫婦に発見され、家族の一員になる。

評価

2006年のリリースから、『ザ・ロード』は数々の好意的な批評を受け取った。記憶に留まる[4]、悲痛な[5], 打ち砕くような[6]代表作とされ、『エンターテイメント・ウィークリー』誌の2008年6月号によれば 過去25年間の最も優れた本である。Metacriticで平均90点を獲得している。.[7]

2007年4月16日ピューリッツァー賞 フィクション部門を受賞した[8]。 2006年に全米批評家協会賞の最終選考作品となり[9]ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞(the James Tait Black Memorial Prize)も受け取った。

日本語訳

映画

映画は2009年11月25日北米公開。監督はオーストラリア出身のジョン・ヒルコート。父と息子の役を演じる俳優ヴィゴ・モーテンセンコディ・スミット=マクフィー。母親役にシャーリーズ・セロン、他ロバート・デュヴァルガイ・ピアース共演。

脚注

  1. ^ McCarthy (2006) (英語). The Road. Random House Inc. pp. 170. ISBN 0307387895. "There is no God and we are his prophets" 
  2. ^ McCarthy (2006) (英語). The Road. Random House Inc. pp. 50. ISBN 0307387895. "If he is not the word of God God never spoke" 
  3. ^ McCarthy (2006) (英語). The Road. Random House Inc. pp. 278. ISBN 0307387895. "You have to carry the fire" 
  4. ^ Mark Holcomb. “End of the Line” (英語). The Village Voice. http://www.villagevoice.com/books/0636,holcomb,74342,10.html 2007年4月23日閲覧. "It may be the saddest, most haunting book he's ever written" 
  5. ^ Malcolm Jones (2006年9月22日). “On the Lost Highway” (英語). Newsweek. 2009年1月22日閲覧。 “The question that the novel implicitly poses [...] takes on heartbreaking force.”
  6. ^ “The Road to Hell” (英語). The Guardian. (2006年11月4日). http://books.guardian.co.uk/reviews/generalfiction/0,,1938954,00.html 
  7. ^ The Road by Cormac McCarthy: Reviews” (英語). Metacritic. 2009年1月22日閲覧。
  8. ^ “Novelist McCarthy wins Pulitzer” (英語). BBC. (2007年4月17日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/6563291.stm 2007年9月8日閲覧。 
  9. ^ The National Book Critics Circle 2006 finalists (英語)


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