グリーゼ229BとT型天体 - メタン矮星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 19:13 UTC 版)
「褐色矮星」の記事における「グリーゼ229BとT型天体 - メタン矮星」の解説
1995年に Teide 1 とグリーゼ229Bという2つの疑いようのない亜恒星天体が発見されたことにより、褐色矮星の研究は大きく変化した。これらの天体からは、670.8 nm のリチウムのスペクトル線が検出された。またグリーゼ229Bは、温度と光度が恒星が取りうる範囲よりも十分低いことが判明した。また、中島紀のグループにより直接撮像と分光観測に成功し、スペクトルが恒星よりむしろ木星に近いことが示された。 グリーゼ229Bの近赤外線のスペクトルは、2 µm でのメタンの吸収バンドが明確に見られた。この特徴は、これまでは巨大ガス惑星と土星の衛星タイタンの大気でのみ見られていたものであった。主系列星の場合はいかなる温度であってもメタンの吸収は見られない。この発見により、L型矮星よりもさらに低温で、現在では「T型矮星」として知られている新しいスペクトル分類が作られた。グリーゼ229BはT型矮星の原型である。
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