クランク・ニコルソン法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/02 13:37 UTC 版)
さいごに、時刻 t n + 1 / 2 {\displaystyle t_{n+1/2}} で中央差分を、空間点 x j {\displaystyle x_{j}} での空間微分に2階中央差分を用いれば、漸化式: 2 ( u j n + 1 − u j n k ) = u j + 1 n + 1 − 2 u j n + 1 + u j − 1 n + 1 h 2 + u j + 1 n − 2 u j n + u j − 1 n h 2 {\displaystyle 2\left({\frac {u_{j}^{n+1}-u_{j}^{n}}{k}}\right)={\frac {u_{j+1}^{n+1}-2u_{j}^{n+1}+u_{j-1}^{n+1}}{h^{2}}}+{\frac {u_{j+1}^{n}-2u_{j}^{n}+u_{j-1}^{n}}{h^{2}}}\,} が得られる。これをクランク・ニコルソン法(Crank-Nicolson method)という。 線形方程式系: ( 2 + 2 r ) u j n + 1 − r u j − 1 n + 1 − r u j + 1 n + 1 = ( 2 − 2 r ) u j n + r u j − 1 n + r u j + 1 n {\displaystyle (2+2r)u_{j}^{n+1}-ru_{j-1}^{n+1}-ru_{j+1}^{n+1}=(2-2r)u_{j}^{n}+ru_{j-1}^{n}+ru_{j+1}^{n}} を解けば、 u j n + 1 {\displaystyle u_{j}^{n+1}} が得られる。 この方法は常に数値的に安定で収束するが、各時刻で方程式系を解く必要があるので繁雑なことが多い。誤差は時間ステップ数の4乗と空間ステップ数の2乗とに比例する: Δ u = O ( k 2 ) + O ( h 4 ) {\displaystyle \Delta u=O(k^{2})+O(h^{4})\,} しかし、境界付近では誤差はO(h4 ) でなくO(h2 ) となることが多い。 クランク・ニコルソン法は時間ステップ数が少なければたいてい最も正確な方法である。陽解法はそれより正確でなく不安定でもあるが、最も実行しやすく、繁雑さも最も少ない。陰解法は時間ステップ数が多い場合に最も優れている。
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