クラメル・カスティヨンの問題とは? わかりやすく解説

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クラメル・カスティヨンの問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/01 07:31 UTC 版)

A,B,Cに対するカスティヨンの問題の2つの解

クラメル・カスティヨンの問題(クラメル・カスティヨンのもんだい、: Cramer–Castillon problem)は、1742年にスイス数学者ガブリエル・クラメールが提起し、1776年にイタリアの数学者ジャン・ド・カスティヨンが肯定的に解決した、幾何学の問題[1][2][3][4]。単に、カスティヨンの問題とも言われる[5][6][7]

平面上に、ZZ上にない3点A,B,Cを作る。クラメル・カスティヨンの問題は、3(またはその延長)がそれぞれA,B,Cを通り、Z内接する三角形をいつでも構築することは可能であるかという問題である。

何世紀も前に、アレキサンドリアのパップスは3点が共線である場合を証明していた。しかし、一般の位置にある3点における問題は非常に高難易度であると評価を得ていた[8]。カスティヨンが幾何学的な構築を証明した後、 ラグランジュがカスティヨンの解法よりも簡単な代数的解法を発見した[9]。また、マルファッティも独自に解法を発見している[5]。ペテルゼン(Petersen)やジョルダーノ(Giordano di oltaiano,1788年)、19世紀初期にラザール・カルノーなどがn点、n角形への一般化を示した[10][11]ジェルゴンヌ(1811)やポンスレ(1817)は円を円錐曲線へ一般化した。他、Seydewitz(1844)などがこの問題を研究している。

出典

  1. ^ Stark (2002), p. 1.
  2. ^ 中川銓吉『近世綜合幾何学演習』共立出版、1948年、267頁。NDLJP:1063414 
  3. ^ 日本數學會『岩波數學辭典』岩波書店、1954年https://www.google.co.jp/books/edition/%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%95%B8%E5%AD%B8%E8%BE%AD%E5%85%B8/LP05AAAAMAAJ?hl=ja&gbpv=1&bsq=Cramer%E2%80%93Castillon&dq=Cramer%E2%80%93Castillon&printsec=frontcover 
  4. ^ ジョン・ケージー 著、山下安太郎, 高橋三蔵 訳『幾何学続編』有朋堂、1909年。doi:10.11501/828521 
  5. ^ a b Eugene Catalan 著、長沢亀之助 訳『仏国カタラン氏幾何学定理及問題』日本書籍、1906年、251,400頁。NDLJP:828526 
  6. ^ 根津千治『むつかしい幾何学問題の解義 下巻』先進堂、1928年、500頁。doi:10.11501/1036275 
  7. ^ Eugène Rouché,Charles de Comberousse 著、小倉金之助 訳『初等幾何学 第1巻 平面之部,Traité de géométrie. 7. éd山海堂書店、1913年、365頁。doi:10.11501/930885https://archive.org/details/traitdegomtriel02combgoog 
  8. ^ Wanner (2006), p. 59.
  9. ^ Adolphe Desboves 著、吉田好九郎 訳『平面幾何学研究法』富山房、1914年、166頁。NDLJP:952193 
  10. ^ Ostermann & Wanner (2012), p. 176.
  11. ^ 秋山武太郎『平面幾何学』共立出版、1947年、36頁。NDLJP:1063398 

参考文献

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