くぼ‐がい〔‐がひ〕【久保貝/×窪貝】
久保貝
窪貝
クボガイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 14:56 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動クボガイ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Chlorostoma lischkei (Tapparone-Canefri, 1874) |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
クボガイ(久保貝) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
en:Silver-mouthed Monodont |
クボガイ(久保貝[3]、学名:Chlorostoma lischkei) は、古腹足亜綱 Vetigastropodaに属する巻貝の一種で、ヘソアキクボガイやクマノコガイとともに日本の磯で普通に見られる貝である[4][5]。ニシキウズ科 Trochidae のクボガイ亜科に分類されていたが[2]、その後の分子を用いた分類などにより独立したクボガイ科 Tegulidae に分けられるようになり[6]、さらに2021年発表の研究ではリュウテン科に含め、その中のクボガイ亜科として分類することが妥当であることが示されている[1]。
外観
殻は約3cm以下。黒っぽい色で表面が粗く、丸っこい円錐形。多数の螺肋が成長脈と交差しながら密にならぶ。属名の Chlorostoma「緑色の口」の通り、殻底の中心部は緑色で、臍孔はない。内面は平滑で真珠光沢がある。蓋は濃褐色で革質の多旋型で、同心円状に密な渦巻きを作りながら成長する[4][5]。
生態
主に底生珪藻類を食べて生きる。北海道南西部での観察によると、冬季には潮間帯から潮間帯下部へ移動して大型藻類の幼胞子体などの摂食量が増加する。繁殖期は主に8月から9月にかけてで、交尾はせずに放精・放卵を行う[7]。
分布
北海道南部以南の日本各地から朝鮮半島、中国南部にかけての潮間帯の岩礫地[5]。
人との関係
「磯もの」や「磯玉」と呼ばれ、「シッタカ」とともに海辺の居酒屋や宿などで、ゆでたものが出ることがある。身は小さいが、はらわたは磯の風味があり、足は甘みがあって美味[8]。サザエと同じく肝が緑色なのははメスで、クリーム色なのはオス。
出典
- ^ a b T.J. Cunha, J.D. Reimer & G Giribet (2021). “Investigating Sources of Conflict in Deep Phylogenomics of Vetigastropod Snails”. Systematic Biology 0: 1-14 .
- ^ a b 黒田徳米・波部忠重・大山桂 (1971). 相模湾産貝類. 丸善. pp. 741+489+51, 121pls.
- ^ 武蔵石壽 (1843). “久保介”. 目八譜 7: 21.
- ^ a b 波部忠重; 小菅貞男 (1967/8/10). 標準原色図鑑全集 3 貝. 保育社
- ^ a b c 世界文化生物大図鑑『貝類』 竹之内孝一ら p.49. 世界文化社. (2004/6/15)
- ^ Suzanne T. Williams et al. (2012). “Advances in systematics of the vetigastropod superfamily Trochidea”. Zoologica Scripta 41: 571-595. doi:10.1111/j.1463-6409.2012.00552.x .
- ^ Rie Onodera & Izumi Sakurai (2018). “Distribution, reproductive cycle, and food habits of the herbivorous snail Chlorostoma lischkei off the coast of Suttsu Bay in southwestern Hokkaido, Japan”. 日本水産学会誌 84: 54-64. doi:10.2331/suisan.17-00029.
- ^ “ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑, 『クボガイ』”. ぼうずコンニャク. 2019年2月26日閲覧。
外部リンク
- クボガイのページへのリンク