キミアとクィンタ・エッセンチア
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「クィンタ・エッセンチア」の記事における「キミアとクィンタ・エッセンチア」の解説
クィンタ・エッセンチアの考えを前面におし出した最初のキミアの書が、14世紀前半に成立したルペシッサのヨハネス(Johannes de Rupescissa)による『クィンタ・エッセンチアについて』 De consideratione quintae essentiae である。金属の変成にはほとんど関心を払っていないところから、造金を目的とする狭い意味でのキミアの書と受けとるのは不適当かもしれないが、あきらかに医学・薬学的なキミアの伝統のなかに位置していたのである。 本書を本体とし前書きと後書きとなる部分をつけ加えて、ライムンドゥス・ルルスの名を冠した『自然の秘密について、あるいはクィンタ・エッセンチアについて』 De secretis naturae sive de quinta essentia という書物が、その後すぐに成立する。ルルスに帰される一連のキミア偽書群はこれに大きく依拠して書かれたので、クィンタ・エッセンチアの概念はルルスのキミアの大きな特徴となった。こうして、この概念は知名度の低いヨハネスよりは、かの有名なルルスの名のもとに流布されることになった。これらの書物をとおして、クィンタ・エッセンチアの理論は15世紀の後半にはヨーロッパで一般によく知られるようになったのである。
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