イタロ・ハウス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/07 00:06 UTC 版)
イタロ・ハウス | |
---|---|
様式的起源 | イタロ・ディスコ ハウス |
文化的起源 | 1980年代後半。イタリア |
使用楽器 | シンセサイザー、ドラムマシン、シーケンサー、キーボード、サンプラー |
派生ジャンル | ユーロダンス |
イタロハウス(Italo house)は、ハウスとイタロ・ディスコを組み合わせた、イタリア、イギリス、アメリカで1980年代後半から1990年台前半に人気の高かったハウス・ミュージックである。イタリア語を英語に直訳した一部の曲の、英語歌詞の意味が不明という点が指摘される場合もある。
概要/特徴
イタロ・ハウスの音楽的特徴は、無機質なシカゴ・ハウスのレコードよりもヴォーカルがソウルフルであり、サウンドは主にエレクトリックの)ピアノのコードが使われている点にある。よく知られている曲としては、ブラック・ボックスの「エブリバディ・エブリバディ」(1990)や"Ride On Time" (1989) 、「ストライク・イット・アップ」(1991)が挙げられる。[1]アメリカの消費者団体は、ブラック・ボックスとミニ・バネリを、ビデオで歌っている歌手と、実際に歌っている歌手が異なり、消費者を欺いているとして、ロサンゼルスの連邦地裁に訴えている。[2]歌手マーサ・ウォッシュは、Black Boxのメンバーを虚偽の広告で1990年9月に訴え、同年12月に法廷外で和解した。[3]イタロ・ダンスの音楽家にはエル・チコ。アレックス・リー、ジノ・ラテイーノらがいる。[4]
アメリカのソウル・シンガーを起用した、BB&Qバンド[5][6]やチェンジらの「イタロディスコ」とは異なるホットでソウルフルなサウンドが特徴であり、イタロハウスはその機械的で無機質なビートが特徴だった。
歴史
イタロハウスは1990年代初頭からポピュラーになった。このジャンルは元々Gianfranco Bortolottiのプロダクションによって開拓された。彼の別名義はCappella、R.A.F、East Side Beat[7]そして49ersがある。イタリアで作られたレコードは1990/91年のUKダンスチャートでヒットした。Ashaの"JJ Tribute"、DJ Hの"Think About"、Last Rhythmの"Last Rhythm"そしてJinnyの"Keep Warm"のような曲のメロディーは高揚感がありハッピーなバイブを奏でていた。K-Klass、BassheadsそしてFelixのようなアーティストたちは、イタリアンピアノサウンドをベースに、高揚感のあるメロディーを今も作り出しているが、DJ Sashaのようなそのサウンドのパイオニアたちは、ずっと前にピアノハウスのハッピーなバイブから離れて他のスタイルを模索している[8]。
90年代後半以降のイタリアではマイナーなジャンル扱いだったが、2010年代半ばあたりから、Micky MoreやAndy teeといった、イタロハウスにルーツを持つ、新世代のアーティストたちがあらわれ、精力的に楽曲リリース、Remixなどを行った。日本では1990年代以降、イタリア制作のユーロビートが、avexのスーパーユーロビートシリーズに収録され、ユーロビート愛好者の間で根強く愛聴された。
主なアーティスト
- ブラック・ボックス
- 49ers
- カペラ
- アレックス・リー
- アンドレ・ホメン
- DJH
- DJ Pierre Feroldi
- DJプロフェッサー
- エル・チコ
- フェリックス
- Gino Latino (aka Jovanotti)
- Gino Latino II (aka Giacomo Maiolini)
- シーマ
- ザ・スカイ
- スターライト
- リー・マロウ
- タノ・アフリカ
- クアリオン
主なレコードレーベル
- BCM Records
- Discomagic Records
- Groove Groove Melody
- Italian Style Production
- Kutmusic
- Line Music
- Media Records
- X-Energy Records
- ZYX Music
- IRMA Records
脚注
- ^ Starlight > full Official Chart History Official Charts. 2025年5月2日閲覧
- ^ Lawsuits Seek Truth In Music Labeling The New York Times 7 May 2025閲覧
- ^ “RCA Act Black Box Sued for False Advertising”. Billboard (magazine) 102 (42): 94 .
- ^ Italo house 2025年5月2日閲覧
- ^ B. B. & Q. Band Artist Biography AllMusic access-date=02 May 2025
- ^ Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 35. ISBN 1-904994-10-5
- ^ DJP.it, annata 1992
- ^ w:en:Nathan Brackett & Fireside, ed (2004). Rolling Stone Album Guide (4th Edition ed.). pp. 718. ISBN 0-7432-0169-8
関連項目
- イタロ・ハウスのページへのリンク