イシドールス集録と偽イシドールス教令集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 18:30 UTC 版)
「イシドールス」の記事における「イシドールス集録と偽イシドールス教令集」の解説
中世において絶大な影響力を持っていたイシドールスは、ヒスパニアの教会会議における業績とも相俟って、『ヒスパナ教令集』 ("Collectio hispana") の編纂者と誤って考えられた。そのため『ヒスパナ教令集』を『イシドールス集録』 ("Collectio Isidoriana") とも呼ぶ。『ヒスパナ教令集』の原型は、589年の第3回トレド教会会議もしくは633年の第4回トレド教会会議の際にガリアやヒスパニアにおける議決を『ディオニシアーナ教令集』 ("Collectio Dionysiana") に増補する形で成立したものであり、その後も9世紀まで増訂が続けられ、さらに多くの教会会議の議決や教皇令を採録した。 一方、もう一つのイシドールスに仮託された教令集の方は、『偽イシドールス教令集』 ("Canonum collectio pseudo-Isidoriana") と呼ばれる。こちらは9世紀ごろに成立したもので、採録されている教令のほとんどは偽作されたものであった。中でも有名なのは『コンスタンティヌスの寄進状』と呼ばれる偽文書で、これは中世において正式なカノン法令集に採録され、教皇首位権の根拠として利用された。
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