イオノマイシンとは? わかりやすく解説

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イオノマイシン


イオノマイシン


イオノマイシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/15 05:57 UTC 版)

イオノマイシン
識別情報
CAS登録番号 56092-81-0 
PubChem 6912226
ChemSpider 5288579 
ChEMBL CHEMBL501617 
特性
化学式 C41H72O9
モル質量 709 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

イオノマイシン (ionomycin) は、Streptomyces conglobatusが生産するイオノフォアであり、カルシウムと1:1で結合する[1]マグネシウムカドミウムなど他の2価カチオンにも結合するが、カルシウムに対する選択性を示す[2][3]

14のキラル中心が存在する。β-ジケトンカルボキシル基がカルシウムとキレートを形成する[4]

1978年に抽出され、完全な構造は1979年に解明された[3][4]

研究において、細胞内のカルシウムイオン濃度を上げるため、または生体膜を越えたカルシウム輸送を理解するためのツールとして用いられる[4]。さらに、通常は12-O-テトラデカノイルホルボール 13-アセタートとともに、細胞間でのサイトカインインターフェロンパーフォリンインターロイキン-2インターロイキン-4の生産を促進する。これらのサイトカイン類は、炎症応答に重要である。

イオノマイシンは、遊離酸かカルシウム塩として市販される。どちらも水に対し不溶性であるが、油脂やDMSOに対しては可溶性である。この脂溶性のためアルブミンなどのタンパク質に結合し、こうした性質は血液が関与する研究での使用の妨げとなる[2]

出典

  1. ^ See Ionomycin Calcium salt from Fermentek, manufacturer's product page for ionomycin
  2. ^ a b Kao, Joseph P. Y.; Li, Gong; Auston, Darryl A. (2010). “Practical aspects of measuring intracellular calcium signals with fluorescent indicators”. Methods in Cell Biology 99: 113–152. doi:10.1016/B978-0-12-374841-6.00005-0. ISSN 0091-679X. PMID 21035685. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21035685. 
  3. ^ a b Toeplitz, Barbara K.; Cohen, Allen I.; Funke, Phillip T.; Parker, William L.; Gougoutas, Jack Z. (1979-06). “Structure of ionomycin - a novel diacidic polyether antibiotic having high affinity for calcium ions” (英語). Journal of the American Chemical Society 101 (12): 3344–3353. doi:10.1021/ja00506a035. ISSN 0002-7863. https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja00506a035. 
  4. ^ a b c Lautens, Mark; Colucci, John T.; Hiebert, Sheldon; Smith, Nicholas D.; Bouchain, Giliane (2002-05-30). “Total synthesis of ionomycin using ring-opening strategies”. Organic Letters 4 (11): 1879–1882. doi:10.1021/ol025872f. ISSN 1523-7060. PMID 12027637. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12027637. 



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