アンドロゲン低下症例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 09:45 UTC 版)
「LOH症候群」の記事における「アンドロゲン低下症例」の解説
血中遊離型アンドロゲン低下例に対してはアンドロゲン補充療法(ART)が行われる。アンドロゲン補充療法はテストステロン補充療法(TAT)と呼ばれる事もある。日本では血中遊離型テストステロン値が8.5pg/ml未満の症例に対しては、ARTが第一選択とされる。国際的には血中遊離型テストステロン値が300-320 ng/mlをART開始の基準とされている。ART開始後、血中PSA濃度が半年間で0.5ng/ml または1年で1.0ng/ml以上上昇した場合、専門医での前立腺癌検索が推奨されている。 ただし40歳以下の対象患者や前立腺癌患者、血中PSA上昇症例、中等度以上の前立腺肥大患者、重度の肝疾患・心疾患・腎機能不全患者、睡眠時無呼吸症候群患者などはホルモン補充療法は推奨されない。 2016年現在、日本泌尿器科学会ではアンドロゲン補充手段として下記の3種類を推奨しているが、2016年現在保険適応となっているのは、エナント酸テストステロンの注射のみである。 アンドロゲン補充療法により勃起障害には改善が認められる。一方心血管関連疾患についてはアンドロゲン欠乏はリスクファクターではあるものの、そのリスクはアンドロゲン補充療法によっては改善しないことが知られている。LOH症候群のうつ病などの精神症状についてもホルモン補充療法が実施される。
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