アラムシロガイとは? わかりやすく解説

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アラムシロ

(アラムシロガイ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/06 00:16 UTC 版)

アラムシロ 
分類
: 動物界 Animalia 
: 軟体動物門 Mollusca 
: 腹足綱 Gastropoda 
: 新腹足目 Neogastropoda 
: ムシロガイ科 Nassariidae 
: ヒメムシロガイ属 Reticunassa
: アラムシロ R. festiva 
学名
Reticunassa festiva (Powys, 1835)[1] 
シノニム

Nassarius festivus
Hinia festiva[2]

和名
アラムシロ(荒筵[3], 粗筵) 
英名
a kind of netted dog whelks
中名 粗紋織紋螺 (cū wén zhī wén luó)

アラムシロReticunassa festiva)は、ムシロガイ科に属する巻貝の一種で、湾内の潮間帯の砂底にふつうに見られる[2][4][5]

形態

貝殻の高さは約15mm以下。外面は黄色味を帯びた灰白色または黒っぽい灰色で、粗い縦肋が粗い螺肋と交差する。螺肋の間の溝は黒褐色の線が描かれる。殻口はやや広く、外唇の内壁に畝状の襞が並ぶ。成貝では軸唇に滑層が少しだけ広がる。軟体についての情報は乏しい。前方に水管を突き出し、一対の触角の根元から少し上に小さい眼がある。足の後端はムシロガイのように2つには割れない[4]

生態

湾内の潮間帯の砂底に生息する。産卵は、1mm程度の卵胞に50個ほどの卵が産みつけられる。胚や幼生の生育に適する水温は15-20℃[6]。エサが乏しい場合は、幼生同士が共食いして栄養源を得る[7]。成貝はアサリなどの死肉を食べる。腐肉の臭いを敏感に検知し、多数が群がって食べる[5]ヤドカリよりも遠くから腐肉の存在に気づき、前方に水管を突き出しながら急いではって移動する[8]。貝殻はヤドカリに利用される。

分布

北海道から南シナ海にかけて[4][7]

三浦半島のアラムシロとクロスジムシロの貝殻

類似の種

  • クロスジムシロ 殻高11mmでアラムシロよりも小さめ。縦肋が強く、螺層の下半分に暗い色帯がめぐらされる。磯の岩礫底にも生息する[4]。分布域はアラムシロと同様で、遺伝的にも近縁[1]

人との関係

江戸時代後期の武蔵石壽による目八譜(八巻)では、『荒筵』(あらむしろ)として紹介されている[9]。ムシロガイ類は毒を持つことがあるため、安易に食さないよう注意喚起されている[10]。標本を得るための肉抜きは困難を極める[11]

出典

参考文献

  • Sin-Kil Kang; Chan-Gyoung Sung; Jiwoong Chung; Dong-Ho Park (2016). “Effect of water temperature on embryonic development and larval survival of an intertidal snail, Nassarius festivus (Powys, 1835)”. The Korean Journal of Malacology  (The Malacological Society of Korea) 32 (1): 37-43. doi:10.9710/kjm.2016.32.1.37. 

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