弱起とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 弱起の意味・解説 

弱起

(アウフタクト から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/28 05:14 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

弱起(じゃっき)とは、西洋音楽用語のひとつで、楽曲が第1以外から開始すること。また、楽曲の途中にあっても、あるフレーズが、小節の最初からではなく、その前の小節の途中から開始すること。また、その部分。

弱起のことをアウフタクト:Auftakt)とも言い、むしろその方が日本では一般的であるが、ドイツ語のAuftaktの語には、次のような意味もある。

概要

西洋音楽にあっては、は、強拍のあとにひとつまたは複数の弱拍が後に置かれ、それを組み合わせて拍のまとまりと考える。拍のまとまりの中で中心となるものが小節であり、その組み合わせが拍子である。したがって、音楽のまとまりも強拍から弱拍に流れる。しかしながら、強拍の前に準備的な拍(または拍の一部)が置かれる場合がある。これがアウフタクトである。

アウフタクトは、ヨーロッパの言語における冠詞前置詞のようなもの、また、行が冠詞前置詞で開始するようなものとして説明されることが多い。実際、西洋音楽と結びつきの強いドイツ語などにおいて、名詞の前に置かれる冠詞や前置詞には強勢がない。従って、冠詞や前置詞で開始する詩を歌詞として曲を作るならば、冠詞や前置詞にはアウフタクトを充てるのが自然な方法である。

前置詞的意味合いから、西洋音楽を「強拍+弱拍(強拍の後に弱拍)」ではなく、「弱拍+強拍(強拍の前に弱拍)」の組み合わせで捉えるべきだという考えもある。市川宇一郎は自著の中で、アウフタクトは曲の先頭に対するアップビートであり、弱起に割り当てる英語が見つからなかった(既にアップビートが別の意味で使われてしまっていた)ため、同じ意味を表す言葉をドイツ語から持ってきたのだという説を記している。曲の途中で小節の先頭からフレーズが始まらないのも同じ理由であり、その意味でアウフタクト=アップビートだと記している。

弱起の楽曲では、曲の最初の小節は、小節全体は書かれず、小節の後半の必要な範囲だけが書かれる。このような小節を、不完全小節と呼ぶ。また、楽曲の最後も、弱起の分だけ拍を削り、曲頭と合わせて1小節分の長さとするように書かれる。この最後の小節も不完全小節と呼ぶ。ただし、特にある程度以上の長さを持つ楽曲では、曲の最後を不完全小節としないことも多い。

これは『ハッピーバースデートゥーユー』の出だしの部分である。小節の途中から曲が始まっている。

楽譜は一時的に使用不能です。

参照著作



このページでは「ウィキペディア」から弱起を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から弱起を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から弱起 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「弱起」の関連用語

弱起のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



弱起のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの弱起 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS