牡丹獅子図縁頭
江戸後期 赤銅魚子地金高彫絡繰据文象嵌 |
菊地序克(つねかつ)は清次郎と称し、若銘を常克と切る。「菊池序克」とも銘し、稲川直克の門に学び、独立して菊地家を興した。写実的な表現からなる動植物や横谷風の獅子牡丹などを図に採った作品を遺している。この縁頭はその典型とも言うべき作風で、獅子の動的な姿態を肉高に表現した重厚な趣を充満させる作。赤銅地を微細な魚子地に仕立て、金地を打ち出して高肉に獅子を表現し、これを裏面にて絡繰(からくり)象嵌している。図柄構成は縁(ふち)の静なる姿と頭の躍動感溢れるそれとを対比させたもので、縁の獅子は伏した構図で眼光鋭く、背骨の隆起した様子や爪先の様子、さらに巻毛の表情にも秘めた力が感じられる。総体に繊細な鏨を駆使した細密な彫り口とされており、漆黒の魚子地に金の色が映えて美しい。大森秀元作の同図縁頭(大)と2点1組とされている。 |
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