ひだる
「ひだるい(饑い)」は、古語の「ひだるし」に由来する言葉である。中世には女房言葉で「ひだるし」が「ひ文字」と表現され、これが形容詞化して「ひもじい」という言葉になった。
泉鏡花が大正2年に上梓した「陽炎座」には、「雪女が寒いと吐すと、[中略] 貧乏人が空腹い(ひだるい)と云うようなものだ。」というくだりがある。
「ひだる神(饑神)」は、道行く人に取り憑いてひどい飢餓感をもたらすとされる憑き物であり悪霊の類である。
「ひだる神」という言葉は、形容詞「ひだる-し」の語幹である「ひだる」を連体修飾語として用いていることになる。
「ひだる神」のような「形容詞の語幹が直接に名詞に付いた語彙」は、たとえば「高山」「白波」「長話」なども挙げられるように、さほど特異な事例というわけではない。
「ひだる」の例文・使い方・用例・文例
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