とうなんいん

世界宗教用語大事典

とうなんいん 【東南院】

東大寺内にあった寺。九〇四（延喜四）年東大寺別当道義が佐伯院にあった香積寺を東大寺南大門の東わきに移して東南院と称したのに始まる。のち院主に醍醐寺開祖聖宝が招かれ、東大寺における三論宗・真言宗の中心寺院となり、歴代院主の多くが東大寺別当につき重きをなした。明治以後は東大寺本坊として使用され、現在の建物は戦後の再建。聖宝の流れを東南院流という。