左右大透図鍔
江戸初期 肥後国八代 素銅石目地丸形無文赤銅覆輪 縦:74.3ミリ横:72.5ミリ |
一般に鉄以外の金工素材は軟らかく、数百年の時が経ることにより、手擦れなどによって表面の状態は変容し、さらに錆がこれに加わって、製作時では思いもよらなぬ風貌を呈する場合がある。この平田彦三の特徴顕著な鍔は、素銅(すあか)という素材のもつこの経年変化を意図的にその作品に取り込み、数百年の星霜が生み出す奥深い表情を鍔面に創出させている。一方、大胆にすかされた左右の大透かしは、彦三が好んで用いたもの。意図された空間構成と意図できない経年変化が絶妙なバランスで均衡を保っている。尚、耳には赤銅による可動式の覆輪が廻らされており、これも彦三の特徴である。 |
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